応用生物プロセス学講座 > 研究内容 > 蛋白質の構造および機能に関する基礎および応用研究 蛋白質の構造および機能に関する基礎および応用研究Relationship between protein structure and function, and its applicationWe aim to determine the relationship between protein structure and function, and establish a novel protein engineering technique. We have initiated a new structure prediction system with respect to the folding route of proteins. Alternatively, we have generated a simple method for improvement of protein function that is widely applicable for industrial enzyme engineering. For example, phenylacetaldehyde reductase was successfully engineered to remain active, even in aqueous medium, at high concentrations of 2-propanol. 蛋白質のアミノ酸配列、高次構造、機能の関係は、未だ詳細には明らかになっていないが非常に興味深い問題であり、広く研究がされている。この問題を解明するためには、理論と実験の両面からの研究の遂行が必要である。このような視点に基づいて、私はこの問題の解明を究極目標とし、以下の課題について研究を進めている。 まず、理論的研究としては、蛋白質のアミノ酸配列がいかにその高次構造を規定していくかを明らかにしたいと考えている。David Bakerらのフラグメントアセンブリ法による蛋白質の高次構造予測のかなりの成功は、蛋白質を構成するアミノ酸配列のローカルな構造形成が、蛋白質全体の構造形成にとって重要であることを示唆している。これを踏まえ、蛋白質の構造データベースから得られた情報をもとに、蛋白質の折れたたみ経路に沿ったような形での高次構造予測法を確立していきたい。現在具体的手法を開発中である。 次に、実験的研究として、酵素の活性を効率的に改変可能な実験的手法の開発を行っている。この技術の確立は、高次構造予測よりさらに困難と予想される構造機能相関研究の一手法として必要である。また直接的には工業用酵素の効率的改良法として利用できる。Rhodococcus sp.ST-10由来のフェニルアセトアルデヒド還元酵素(PAR)は、各種ケトンのキラルアルコールへの不斉還元に非常に有用な酵素触媒であり、その幅広い応用が期待されている。しかし、補酵素再生反応の際の基質である2-プロパノール存在下では活性が低下してしまう欠点があった。これを克服するため、アミノ酸置換による改良を試みた結果、10%(v/v)2-プロパノール存在下で野生型の約20倍の基質変換能を示す静止菌体反応を実現した1)。また、これを飽和変異によりさらに最適化することにも成功した。この過程で、大規模かつ網羅的なスクリーニングを必要としない改変手法が開発できた。本手法により実験期間の短縮が図れるので、有用酵素開発もスムーズに行うことができる。 References
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