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月刊ドンマスMonthly “DON-MAS”

Monthly “DON-MAS” Vol.25
富山県立大学 看護学部 講座紹介特集。第二回!
充実の専門科目、3分野8領域9講座

高度化する医療や超高齢社会に伴う看護の役割拡大に対応するため、県大看護学部では、看護の基礎教育を重視し、学生の看護力を最大限に伸ばそうと4年間様々なカリキュラムが準備されています。ユマニチュード、工学部と連携した看護ケアなど特長的な講義の他、専門科目の講座も充実しており、3分野8領域9講座が設置されています。月刊ドンマスでは、全9講座を3回にわたって紹介。第1回は成人看護学(急性期)、成人看護学(慢性期)、老年看護学を第23号で紹介しました。今回はその2回目。小児看護学、母性看護学、精神看護学の3講座を紹介します。

小児看護学講座

小児看護学講座は、松本美子(まつもと よしこ)助教にお話をお聞きしました。優しく穏やかな語り口の中にユーモアを交え、和やかな雰囲気を作ってくださいました。

松本助教
「子どもの最善の利益」とは、子どもを尊重することだと考えています

小児看護学は、生まれたての赤ちゃんから思春期までの、すべての子どもとその家族を対象としています。子どもを一人の人間として尊重し、「子どもの最善の利益」をテーマに、その子どもにとって最もよいことを第一に考えていきます。そのために、子どもの権利や子どもの成長発達の特徴、子どもの病気やその看護、そして、子どもと家族の健康を支える社会資源や制度なども学びます。
具体的には、低年齢であるほど両親が治療方針を決定することになりますが、どんなに小さな子どもにも病気の説明をして、納得してもらうことが理想的です。実際に、病院では、手術前に手術室の看護師と子どもが話をする機会を設け、一緒に手術室に行って説明をするなど、安心できる環境で治療を受けてもらえるようにしたり、入院中も状態に合わせて遊ぶことができるような環境が整えられています。
また、本学では、3年生で富山県内の保育園や病院での実習を体験します。実習前の学内演習では、子どものモデル人形や充実したシミュレーターを使用して身長や体重の計測やオムツ交換など、実際の病院に近い環境で学修を行うことができます。

食物アレルギーは、子ども本人の理解と認識が重要

私は、食物アレルギーをもつ子どもの疾患理解について研究を行っています。子どもの食物アレルギーに関しては、平成24年に小学校で死亡事故が起きたことで社会に大きな影響を与えました。現在、日本では2人に1人が、何らかのアレルギーをもつと報告されていて、国民病ともいわれています。アレルギー疾患の中でも、食物アレルギーは年々増え続けていて、10年前と比べると約2倍になっています。卵や小麦、牛乳が多く、ピーナッツも増えてきています。
食物アレルギーは現段階では完治することが難しいため、長く付き合っていくことになります。食べ物は毎日摂取するものなので、子どもたちが生活していくうえで、自分自身の疾患を理解することが必要になってきます。そこで、私は、食物アレルギーをもつ子どもたちが小さいころから自身の疾患をどのように理解していて、どのような教育や指導が必要かについて研究しています。今はアレルギーの原因となるものを避け続けるのではなく、安全な量をあえて食べ続けることが大事といわれていますので、その辺りの研究も進めていきたいと考えています。

今しかできないことにチャレンジしてほしいです

大学は、それぞれの学生が自分の目標に向かって、自分自身で時間管理をしながら能動的に活動するところです。そして本学は、一人ひとりの学生に手厚い教育体制であることが魅力です。何かあれば、担当教員に連絡することになっているので、勉強からプライベートまでいろいろなことを相談できますし、深い付き合いができると思います。
また、学業だけでなく、興味のあることを見つけて、大学時代にしかできないことにチャレンジしてほしいと思っています。本学では、サークルもありますし、留学もできます。私自身、学生の頃に留学したかったのですが、できなかったので(笑)。たくさんの人と出会い、様々な体験をすることで、人間としてとても成長できると思います。
本学で皆さんと一緒に学べることを楽しみにしています。

小児看護学講座の先生方
母性看護学講座

母性看護学講座は、三加るり子(さんが るりこ)助教にお話をお聞きしました。母性あふれる温かく大らかな雰囲気で、心地よい空気を作ってくださいました。

三加助教
女性の一生をサポートする学びです

母性看護学講座では、人間の誕生から思春期、成熟期、更年期、老年期といった女性のライフサイクル全般における健康課題についての学修に焦点を当てています。女性一人一人が自分を大切に思い、自分の身体を知り健康管理ができるように手助けを行います。
今年の秋には、思春期の女の子を対象としたイベントをグランドプラザで開催しました。パンフレットや映像などを通して、女の子や保護者の方に身体の大切さやその仕組み、月経のコントロールの方法などをお伝えしました。健康相談のブースを設け、小学生のお子さんを持つお母さんからのさまざまなご相談も受けました。今後も母性看護学の領域に含まれる「いのちの教育」などの様々な活動に取り組んでいきたいと思っています。
また、マタニティサイクルにある妊婦と胎児に始まり、出産、産後の育児、および新生児の健康状態を身体的・心理的・社会的側面から総合的に考え、母親はもちろんのこと、その母親をサポートする家族の役割と必要な援助について、理解を深めることを目指しています。母親を取り巻く環境が多様化している現代においては、個人に合わせた質の高い看護が求められています。その思いに応えることができるような知識や技術、人間性を兼ね備えた看護師を育成したいと考えています。

高年初産婦に対して、質の高い支援を行うために

私は助産師として11年間、産科病棟や外来で妊婦健診に来られた妊婦に保健指導や、足のむくみや腰痛の対処方法、出産準備に向けた沐浴、お産の時の分娩介助、出産後の健康管理、赤ちゃんのお世話など、さまざまなケアをしてきました。
特に、最近では高年初産婦(35歳以上で初めて母親となった女性)の増加を実感し、母親の体調面や育児技術、メンタル面、育児支援者の確保などで、若い年代の母親との違いを痛感していました。医療の進歩などによって、高年初産婦はこれからますます増えていくだろうと思われるので、そういう方たちを支援できたらいいなと思っています。
しかし、医療機関では担当する看護職の経験も様々です。経験や能力の高い看護師は高年出産という年齢によるリスクを予測し適切な支援を行うことが可能ですが、どの看護師でも質の高い支援を提供できることが必要だと考えました。この経験から、特に40歳以上の高年初産婦を支援する際の助産師の観察ポイントや支援内容を把握し、何を見てどんな支援を行うことがより良いケアにつながるのかについて研究に取り組んでいます。看護職には知識や技術も必要ですが、出産後の女性にプライベートなことも話してもらえるよう信頼されることも大事です。まずは、どんなに忙しい時でも表に出さないという意識づけから行えたらと思っています。

魅力的な本学で、同じ目標を持つ仲間と有意義な時間を

看護学は人間の一生を支えていくための大切なことを学ぶ魅力的な学問です。看護職は専門的な知識と技術を持ち、患者さんと共に喜びを分かち合い、時に傍に寄り添い患者さんを支えます。患者さんと過ごす時間や経験は自分にとって貴重な財産となるはずです。そして、本学看護学部で同じ目標を持つ仲間と共に協力し、有意義な学生生活を送ってください。
学生時代の友人は一生の友です。私自身、大学時代の友だちとは今も連絡を取り合っていて、彼女たちの仕事への真摯な姿勢が、心の励みになっています。
また、本学の教員は学生の皆さんとコミュニケーションをとることが大好きです。教員間の仲も良く、講座の垣根を越えて話しやすい雰囲気が漂っています。この魅力的な本学で皆さんと一緒に看護について学べることを楽しみにしています!

母性看護学講座の先生方
精神看護学講座

精神看護学講座については、遠田大輔(とおだ だいすけ)助教にお話をお聞きしました。こちらの質問に真摯かつ丁寧にお答えいただく語り口からは、研究への熱い思いがひしひしと伝わってきました。

遠田助教
身体と違って見えにくい「心」。だからこそ、適切なケアや関わり方を

精神看護学では、あらゆる世代の人々を対象に、こころの健康に関することを扱います。こころが健康な状態とは、ストレスと上手く関わりながら、普段の生活を普段どおりにできることをいいます。対して、こころの健康が保たれなくなった状態とは、ストレスに対する耐性や対処する力でうまくカバーできなくなり、普段の生活がままならなくなったときのことをいいます。
そこで、この講座では、看護理論を踏まえた知識や技術を用いて、こころを病む人へのケアや適切な関わり方について学びます。さらに人々の精神的健康増進のための支援や教育方法などについての研究も行っています。具体的な研究内容としては、看護者のキャリア成熟、看護者が患者と関わる際に必要とされる援助的コミュニケーション、看護職の離職を防ぐために欠かせない看護学生のアイデンティティの確立など、幅広い領域の研究を実施しています。
精神疾患は多様化しており患者の数も増えてきていますので、こころの健康は今もこれからも注目され続ける分野だといえるでしょう。

地域で暮らす認知症者と、そのご家族の生活安寧に向けた支援の研究を

うつや興奮などの症状を伴う認知症の方と、そのご家族の生活を安寧させるために必要な支援の研究をしています。研究テーマのひとつが、認知症者に対する介護者のpotentially harmful behavior(PHB)で、これは、大声を出す、つかむなど虐待のリスクの高い状態を指します。PHBには、認知症者のイライラや食事の異常などが影響していることが明らかになりました。同時に、介護者の介護負担感に関する研究も並行して行ってきました。介護負担感とは、精神的・身体的・社会的な面における苦悩の程度を意味します。実際に、外来患者の方のご家族を調べたところ、約半数が介護うつに近いレベルの介護負担感を抱えていることが示されました。これらには、認知症者の攻撃的な態度や、幻覚や不眠などを伴うせん妄、聴覚障害が関与していることが明らかになってきました。また、介護負担感がPHBに強く関連するとの結果も出ています。
これまでの研究から、介護者のPHBや介護負担感を減らすにあたって、認知症者本人と介護者の双方への支援が重要だということが見えてきました。今後、さらに研究を進めていく予定です。また、認知症者にとって必要な災害の備えに関する調査にも今後着手していきたいと考えています。

感性を磨くような経験を、たくさん積んでください

看護職は、日常生活で積み上げる経験知が非常に活かされる職業です。勉強や部活動、友人との交流、ボランティアなど、高校時代にしかできないことに精一杯取り組んで、いろいろな経験を積んでほしいですね。すると、患者の方の気持ちを感じ取る力が養われ、同じ経験をされた患者の方の話を同じ思いで聞くことができます。信頼関係を築くにあたっても、たくさんの経験はきっと活きると思います。
さらにいろいろなことにチャレンジしてほしいです。自分が嫌なこと、苦手なことから逃げずに向き合う努力をしてもらえたらよりよいと思います。自己の目標に到達できてもできなくても、そこで得られた経験は大学生活や医療者になったときに役に立ちますし、人生の基盤にもなります。
精神看護は、女性はもちろんのこと、男性の力なしでは成り立ちません。男性の目線で患者さんに寄り添うことや、男性特有の身体の大きさや強さ、冷静さなどが必要とされる場面も多々あるので、大いに力を発揮できると思います。高い志と意欲をもった皆さんが本学に入学されることを、心から待ち望んでいます。

精神看護学講座の先生方

いかがだったでしょうか?以下リンクからも講座について、ご覧いただくことができます。

残り3講座(基礎看護学、在宅看護学、地域看護学)は次月紹介します。お楽しみに。


県大生にインタビュー
県立大学のいいところ、教えてください。
校舎

校舎がとても新しくて、きれいです。それだけで嬉しい気持ちになります。

[医薬品工学科1年 A.Sさん]

学食

安くて、おいしいのがうれしいです。今日はかけうどん食べました。

[生物工学科1年 M.Hさん]















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