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月刊ドンマスMonthly “DON-MAS”

Monthly “DON-MAS” Vol.23
富山県立大学 看護学部 講座紹介特集。第一回!
看護師育成に特化したカリキュラム

高度化する医療や超高齢社会に伴う看護の役割拡大に対応するため、県大看護学部は、看護の基礎教育を重視し、学生の看護力を最大限に伸ばそうと4年間様々なカリキュラムが準備されています。ユマニチュード、工学部と連携した看護ケアなど特徴的な講義の他、専門科目の講座も充実しており、3分野8領域9講座が設置されています。月刊ドンマスでは、全9講座を3回にわたって紹介します。今回は成人看護学(急性期)、成人看護学(慢性期)、老年看護学の3講座を紹介します。

成人看護学(急性期)講座

成人看護学(急性期)講座については、城戸口 親史(きどぐち ちかし)准教授(以下、城戸口准教授)にお話しをお聞きしました。優しそうな第一印象そのままに、穏やかな丁寧な口調でお話をしてくださいました。

城戸口准教授
患者さんの急激な変化を主に扱う分野です

成人看護学(急性期)講座の授業では、突然の事故や怪我、手術などにより急に体の状態が変化したり、緊急で重症度が高い人とその家族を対象とした看護を学びます。対象となる方々の生活を考え、対象者が重症にならないように、早期の回復に向け、対象の方が持つ力を最大限に発揮できるように、そして安全に安楽に安心できるための看護援助を学んでいきます。
私自身、大学病院で働いていた際は、手術室や救命救急センター、集中治療室で働いてました。救命救急センターでは、集中治療室での勤務が長かったです。ちょっとした判断の誤りが命に影響を与えかねない現場で、体の向きを少し変えるだけで血圧が下がるような患者さんもいました。患者さん自身でできないことも多いので、それを手伝うというかサポートしていくような感覚でケアし、患者さんが少しでも安心してもらえるように心がけていました。ご家族のケアについても重要な仕事です。例えば、子どもが事故で入院した時など、親の多くは「自分が目を離したから」「子どもに申し訳ない」など自責の念に駆られ、傍にもよれないようなケースもあるんです。そんな時に、例えば一緒に顔を拭いてあげるとかその状況下において親ができる事柄を作って、一緒に行うことで「自分にも何かができた」と安心されたりします。患者さんがお亡くなりになることも多い現場でしたし、患者さんやご家族の「時間」をとにかく大切にしたいと考えて働いていましたね。

今は「感染症」をテーマとして、よりよい看護を研究しています

これまで、患者さんがより早く回復し健康な状態を取り戻せるよう看護を行ってきました。しかし、入院する中で栄養状態の悪化や免疫力の低下から感染症を併発する患者さんがいらっしゃいました。そこから、少しでも感染症を併発した状態とならないために看護師ができることは何か、よりよい看護を行うにはどのような点に着目し、看護実践することが良いのかを研究しています。また、病院や施設には感染しやすい患者さんや療養者の方がいるだけでなく、多くの医療従事者が働いています。このような皆さんが感染の危険から守られるように、人の行動や心理的側面から解決する手段などについても研究しています。

自分がなりたい自分を持っていてほしい

1、2年で学ぶ基礎的な部分は、とても大事なんですけど正直つまらないという声や基礎だからと軽く思われがちな部分があります。ですが、「きちんと基本的なことができること」が看護にはとても大事です。そして、基礎看護で学ぶことや技術ほぼ全てを使うのが急性期です。そこがしっかりしていないと急性期はできないのではないかと思います。
ですから、基礎は頑張ってほしいです。看護職者として働いてからも日々勉強が必要になりますので、「なりたい自分の姿」をしっかり持っていることが自分への励みになりますし、大事ではないかと思います。
皆さんの頑張りを支えてくれるのは、他ならぬ患者さんやその家族の方々です。頑張り切った時ににっこりとほほ笑んでくれる患者さんや家族の笑顔はとても素敵ですし、元気を分けてくださいます。看護を実践し、患者さんやその家族の笑顔に出会えることを励みに、自ら学ぶ力を4年間で身につけてください。皆さんにお会いできることを楽しみに待っています。

成人看護学(急性期)講座の先生方
成人看護学(慢性期)講座

成人看護学(慢性期)講座については、濵野 初恵(はまの はつえ)助教(以下、濵野助教)にお話をお聞きしました。しっかりとした口調の合間に笑いも交えていただき、和やかな雰囲気を作ってくださいました。

濵野助教
疾患と生きる時代。だからこそ良好なクオリティ・オブ・ライフを

社会の変化に伴うライフスタイルの多様化によって、がんや糖尿病、脳卒中などの慢性疾患を有する患者さんが年々増加しています。一方で医療の進歩により、入院日数はどんどん減っています。生活習慣病やがんなどでも、ある程度の治療が終了したら、慢性疾患を持ちながら在宅で過ごす時期がとても長くなってきています。そういった現状から、疾患とともによりよく生きるクオリティ・オブ・ライフ(QOL)を高めることがとても大切になります。
成人看護学(慢性期)講座では、このように生涯にわたって生活のコントロールが必要な患者さんとそのご家族が、その人らしくよりよい日常生活を過ごすためのケアについて、病気の受容へのプロセスやセルフマネジメントに向けた援助、社会資源の活用などの視点から学びます。慢性疾患を有する患者さんの身体的、心理・社会的特徴を捉え、家族を含めた継続的な看護を行うための理論やその方法についても学習します。病状が悪化する事を防ぐ為の予防のアプローチの観点からの学修なども行います。

工学部と連携した研究も進めています

私は糖尿病看護認定看護師として、これまで多くの経験を積んできました。糖尿病の患者さんへの看護実践を主体とし、医療職の方への教育・指導、相談の役割を担ったり、対外的な研修会などがある時は講師として活動もしてきました。そういった数々の経験を生かし、糖尿病患者の足のケアに関する研究や、患者をケアする看護職の質の向上を目指したプログラム開発に取り組んでいます。
また、成人看護学慢性期講座では、昨年度から糖尿病患者の合併症の1つである視力障害に着目し、工学部の教員と連携し、視力障害のある患者に特化した問診システムの機器開発にも取り組んでいます。これにより、医療者-患者双方の信頼関係がより向上するための診療や看護を目指したいと考えています。

私の持っている知識や経験、全部教えます

県大看護学部では、1年次からトピックゼミによる少人数教育を行い、さまざまなディスカッションを通し、自ら考え行動できる人材育成を目指しています。実際、県立大学の学生さんたちは、質問を積極的にするなど、学びに対して意欲的です。入学面接時から「認定看護師になりたい」という高い志をもって入学してくる学生もいます。4年間、県大で広く深く学んで、多様な可能性を広げていきましょう。しっかり皆さんの夢をサポートします。知識はもちろん、私の経験全て教えますので、任せてください!一緒に頑張っていきしょう。皆さんの入学を心からお待ちしています。

成人看護学(慢性期)講座の先生方
老年看護学講座

老年看護学講座は、川口 寛介(かわぐち かんすけ)助教(以下、川口助教)にお話をお聞きしました。川口助教の爽やかなそのイメージとは裏腹に、熱い想いを話してくださいました。

患者さんと「ちゃんと向き合うこと」が大事

高齢者は60歳代から100歳代までと年齢層が幅広く、また生きてきた背景や生活史から、多様な考えや価値観をそれぞれの方が持っていらっしゃいます。そのため、高齢者の看護は一人一人を尊重し、理解して、その人に応じた看護を実践することが重要です。老年看護学講座は、表情やしぐさという高齢者からのサインをキャッチする豊かな感性を磨くこと、そのサインの意味を解釈する知識を深めること、および高齢者が有する力を引き出すためのケアコミュニケーション技法や、アセスメント能力の向上に関する学修に焦点を当てています。また、身体拘束や認知症看護、専門職連携等に関する教育研究なども行っています。コミュ二ケーションが難しい患者さんもいらっしゃいますし、看護師は日々とても忙しいのが現実です。患者さんに向き合っているつもりでも、実はそうなっていないケースもあります。100%というのは中々難しいですが、だからこそ日頃から患者さんがどんなふうに思っているかを考え、そこに向けて何ができるのか常に思いを巡らせ患者さんに寄り添う、そんな「誠実な姿勢」が老年看護ではとても大事なことだと思います。

ちなみに老年看護学講座の教員たちは、お互いに協力しあいながら高齢者の看護に関する教育研究に熱心に取り組んでいて、チームワークも抜群です。

川口助教
病気を持っていても自信をもって暮らせるための看護ケア

私は、前立腺がん患者の生活の質向上に向けた研究に取り組んでいます。看護学生時代に前立腺がんの患者さんを担当したことがきっかけで興味・関心を持ちました。そして、実際に泌尿器科の看護師として実践し、現在は“前立腺がんになっても自分らしく自信を持ちながらいきいきと過ごす”を目標に研究に取り組んでいます。
具体的な研究としては、手術を受ける患者さんを対象にインタビュー調査やアンケート調査を行っています。手術後には尿失禁が生じる場合があり、とてもデリケートな部分で患者さんの生活の質を損なう可能性があります。しかし一方で、尿失禁がありながらもいきいきしている方も多くいらっしゃいます。これまでの研究から、患者さんの自信が手術後の生活の質向上に強く関連していることがわかりました。今後も、病気を持っていても自信をもって暮らせるための看護ケアについてより深めたいと考えています。また、実際の患者さんや看護師さんが知って役に立つ研究が大事だと考えているので、臨床現場に貢献できる研究になるよう今後も取り組んでいきたいと思います。

男子学生の皆さんも待っています

県大看護学部の教員は熱心で優しく、学生や患者さんのことを真剣に考えることができる誠実な方ばかりです。知識・技術の習得はもちろん、看護専門職者として豊かな人間性も育むことができます。看護は大変というイメージがあるかもしれませんが、それ以上に魅力がたくさんあります。人と向き合い、その人のことを考え、その人に応じた看護を実践し、回復するという過程の中で、その楽しさやおもしろさといった素敵な魅力に気づくことができます。
男子学生の皆さんにも是非たくさん来てほしいと思っています。今いる男子学生は全体の1割程度ですが、みんなとても学ぶ意欲が高いですし、人数による引け目は全く感じていません。看護の在り方や研究に一緒に取り組んでいきましょう!もちろん、相談にものりますよ。皆さんと一緒に学べる日を、楽しみにお待ちしています!

老年看護学講座の先生方

講座紹介いかがだったでしょうか?以下リンクからも講座について、ご覧いただくことができます。

他の6講座の紹介もお楽しみに。


県大生にインタビュー
県立大学のいいところ、教えてください。
中央棟

実験や実習を受ける際に中央棟を利用しています。
とてもきれいで快適なので嬉しいです。

[環境・社会基盤工学科3年 M.Tさん]

遠隔講義

先生方が動画を残してくれるので、見直しや復習ができるのでいいですね。

[情報システム工学科1年 N.Yさん]


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