製薬を工学する
医薬品、食品および化学関連分野で活躍できる創造力と実践力を兼ね備えた人材を育成し、健康長寿社会の実現に向けて、優れた医薬品の開発・製造に貢献します。
物理、化学、生物の幅広い学問領域を基礎として、工学的視点から安全かつ優れた効能をもつ医薬品の開発・製造および先端医療技術の開発に取り組みます。
近未来の超高齢社会における医療・福祉に関する諸課題を解決するため、医薬品開発・製造に係る教育研究拠点の構築を目指します。
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めざせる資格
- MR認定者
- バイオインフォマティクス技術者
- 実験動物技術者
(2級) - 危険物取扱者
- 毒物劇物
取扱責任者
動画で見る医薬品工学科
教員クローズアップ
どんなことを研究できる学科ですか。
医薬品ができるまでの「研究・開発・製造」という3つのプロセスを専門的に幅広く学べる学科です。2つの講座があり、「製薬化学工学講座」では薬のもとになる化合物の研究や、物質や医薬品材料の研究・分析などを行っています。もう1つの「バイオ医薬品工学講座」ではタンパク質から細胞、動物まで詳しく学び、人体や病気の仕組みも勉強してどうしたら病気になるのか、病気に対してどんな薬を作ればいいのかなどを幅広く学ぶことができます。
応援メッセージをください。
医薬品工学科は、薬のことだけを学ぶわけではありません。最終的に人が飲んだり、肌に触れたりするものの研究・開発・製造に携わることができます。IT分野や化学系の企業に就職した卒業生もいますし、食品や化粧品など幅広い分野にも進むこともできます。製薬会社への就職を望む学生が多いのですが、自分の力を生かせる業界はどこだろうと、幅広く視野を広げることが大事です。
私は医学部出身で内科医でもあります。病気の仕組みを知るために、免疫の難しい病気の仕組みを解明するための基礎研究に取り組んできました。全身性エリテマトーデスは難病の一つで、今は進行を食い止める治療しかありません。日本には約6~10万人の患者さんがいるといわれ、その約9割を女性が占めています。恋愛、結婚、出産という女性の生活の質に大きな影響を与えるため、なんとかしたいと思っていたところ、これまでの基礎研究でその病気の原因の一つであるタンパク質の働きを抑えるような化合物を見つけることができました。その化合物を製薬企業と共同で非常に効果の高いものにしてきました。今後は患者さんへの臨床試験を進めていきたいと思っています。一方、学生と一緒に取り組んでいる研究は、生活習慣病です。肥満や糖尿病に合併して脂肪肝から肝硬変や肝がんになるという病気です。今後、日本でも大きな問題になってくると考えていますが、この病気にも治療薬がないため、脂肪が溜まる肝炎のモデルマウスを用いて免疫がどう関係しているのかを研究しています。免疫を切り口に、病気の仕組みを解明し、新しい治療薬の開発を目指しています。
学生の雰囲気はいかがでしょうか。
薬をはじめ、人体の仕組みなどを幅広く学ぶことができます。また、薬学部や農学部、工学部など、さまざまな研究領域の先生が集まった学科でもあります。実際の薬の効き目や患者さんの苦しみなどを理解している者として、それを学生に伝えることが私の役目だと思っています。薬の研究・開発・製造には、生身の患者さんの情報を知ることがすごく大事です。学生さんには、いろいろな情報を入手してイメージを広げたり、ボランティアで患者さんに関わったりしていってもらいたいと思っています。
卒業生の就職状況
学部救急薬品工業、協和ファーマケミカル、金剛化学、ジャパンメディック、新新薬品工業、ダイト、大和薬品工業、東亜薬品、富山小林製薬、富士薬品、陽進堂ホールディングス、リードケミカル 院池田模範堂、救急薬品工業、クラシエ製薬、廣貫堂、十全化学、ダイト、日東メディック、日本カーバイド工業、陽進堂ホールディングス、リードケミカル、富山県警察
学部アドバンテック、エイワイファーマ、興和、中部薬品、中北薬品、日本ライフライン、富士フイルム和光純薬、ワールドインテック 院大原薬品工業、神戸天然物化学、新日本科学、住化アグロ製造、太陽油脂、東亞合成、日本マイクロバイオファーマ、パーソルエクセルHRパートナーズ、富士フイルム富山化学、ワールドインテック、ワイエムシィ、AGC若狭化学、LSIメディエンス
※院は生物・医薬品工学専攻