本文へジャンプ メインメニューへジャンプ
公立大学法人富山県立大学
富山県立大学受験生応援サイト
Scroll
ここから本文です

月刊ドンマスMonthly “DON-MAS”

Monthly “DON-MAS” Vol.39
設立以来、約半年が経過したDX教育研究センター。反響や成果等に関し、所長の唐山英明教授に再度インタビュー!

令和4年4月1日、県内におけるDX人材の育成をはじめ、DXの推進というミッションのもと設立されたDX教育研究センター。誕生目前だった3月には所長の唐山英明(とうやま・ひであき)教授に展望を中心にお話を伺いましたが(月刊ドンマス第37号)、約半年が経過し、今度は反響や成果等を含め再度お話していただきました。

学校や企業、行政など、様々な立場の人がDX教育研究センターの見学に!

DX教育研究センターは文字通り「教育と研究」の二本立てで、DXを中心とした企業支援や人材育成など、様々な形でDX推進を図っていくべく設立されました。以来、本当に数多くの人たちが見学に訪れてくれており、その反響の大きさには私どもも驚いています。
センター内には利用者が他の利用者と共同活用できる「コワーキングスペース」という空間があるのですが、ここでは企業をはじめいろんな人に参加してもらって、勉強会やイベントなども数多く実施しています。もちろん利用しているのは企業だけではありません。本学の学生はもちろん他大学の学生、行政や自治体の方々、さらには高校生もDX教育研究センターを訪れてくれています。DXを軸に「産学連携、高大連携」等が進んでいるというわけです。特にセンターを訪れた高校生から「来年、富山県立大学を受験したくなりました」と目をキラキラさせながら言われた時は、本当に嬉しい気持ちになりましたね。

事前に予知し、リスクを未然に防ぐ。DXだから、できること

DX教育研究センターの設立にあたっては、以下の3つを研究の重点ポイントに定めました。「ものづくり分野での活用」「医療、福祉、看護を含めたヘルスケアでの活用」「屋外、フィールドで活動する際の活用」です。
まず「ものづくり分野での活用」ですが、製造業が主な対象となります。工場内の数多くのことをデータ化することから始まるのですが、これによって工場内の問題点が把握しやすくなるんですよね。機械の調子を読み取れば、事前に故障を予知することも可能になると考えています。
次に「医療、福祉、看護を含めたヘルスケアでの活用」ですが、主に人を見守ったり、家庭にいる人の健康状態の計測にデジタル技術を活用します。数多くの人間の生体情報(バイタルデータ)を集めてビッグデータ化し、それをAIで解析することによって、将来的には病気の予測にもつなげていきたい。たとえば「このままの生活を続けていると、何年後には高い確率で糖尿病を発症します」といったことが、かなりの精度で分かるとよいですね。発症しないよう「行動変容」によって生活改善を進めていくという研究を行っていきます。
そして「屋外、フィールドで活動する際の活用」ですが、現在主に富山県の水道管の劣化度合いに関してセンサーで調査することに取り組んでいます。IoT技術を使って無線で計測データをクラウドに送信し分析するというもので、既に自治体との共同研究が進んでいます。これにより水道管の破裂や損傷等が発生する前に、事前に対処していくことが可能となります。このように「事前に予知し、リスクを未然に防ぐ」ことは、DXが特に得意とする部分であると考えています。

モーションキャプチャを活用し、看護技術のデジタル化も可能に

人の骨格情報を三次元計測できるモーションキャプチャについては、既に製造業の方から「使いたい」という声が届いています。経験や勘に頼りがちだった職人ならではの熟練の技術をデジタル化し、正確な動きとして伝承していくことが可能になるからです。
本学においては特に、看護の分野での活用、研究を考えています。例えば「患者さんにとって心地よい強さ、姿勢で体を支える」「しっかり患者さんの目を見てコミュニケーションする」といった充分な経験が必要な看護技術について、デジタル技術を活用して評価するような研究を行いたいと思います。
本学には看護学部がありますので、このような工学技術を取り入れて看護技術を高める看工連携が進んでいます。看護も人間対人間のコミュニケーションですから、それを円滑に行うために、デジタル技術が大きな力を発揮しています。

VRシステムで、触覚導入による遠隔コミュニケーションに挑戦

CAVEという施設は4面スクリーンで構成されており、特殊なメガネを付けることによって仮想現実が極めて立体的に体感できるようになっています。私たちはこれも、主に医療の分野で活用できないかと考えています。具体的に言えば、医者が患者さんに触って診察する「触診」を、リモートで実現することを目指しています。VRシステムに触覚を入れていくことができれば、リモート医療が大きく前に進みます。手に与えられる感覚を触力覚と言いますが、例えば「ザラザラした感じ」などがVRシステムの中で感じられるような技術が実現すれば、リモート診療における患者さんとのコミュニケーションが対面での診察と同じレベルへ近づき、より正確な診断にもつながり、医療も大きく変わると期待しています。

フットワークの軽い高校生の皆さん、ぜひDX教育研究センターへ

私は以前から「根気があること」が、研究者にとって必要なことだという信念を持っています。それは今も変わりません。けれどこの半年間、DX教育研究センターでいろんな人と会ったり話したりしているうちに「何でもやってみよう!」というフットワークの軽い人にもどんどんこの施設を活用してほしいと思うようになってきました。失敗してもいいんです。いろんなことを考えて、前向きな提案ができる人がこのセンターに合っていると思います。
そんな高校生の人たちには、本学への入学、そして入学後のDX教育研究センターの活用を検討してほしいと思います。富山県立大学は、決して期待を裏切らない大学です。約束します!


ここからフッターです
ページの終了です