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月刊ドンマスMonthly “DON-MAS”

Monthly “DON-MAS” Vol.46
科学の楽しさを知ってほしい。「高校生向け科学技術体験講座」が実施されました。

2023年8月8日、富山県立大学工学部において「高大連携事業」の一環として「高校生向け科学技術体験講座」が実施されました。平成24年から始まった本講座は、高校生の科学・技術への関心を高めることを目的とし、富山県内の高校生を対象とし実施しています。この日の受講生は、富山県立大門高校情報コースの2年生35名。3つの講座に分かれての受講となりました。実験や体験が進むにつれ、どんどんのめり込んでいく高校生たち。暑くて熱い、夏の一日となりました。

講座1

テーマ:「金属材料の諸特性を体験してみよう」
講師:鈴木 真由美教授(機械システム工学科)

午前中に金属の基本に関する講義を行った後、午後からは2班に分かれ「金属棒の特性から種類を当てる実験」と「アルミニウム箔と木炭を使い、簡易的なバッテリーを作る実験」が行われました。
金属棒の種類を当てる実験は、アルミニウム、銅、黄銅、チタン、鉄5種類の金属棒を準備し、磁気の有無、手に持った時の重さなどからその種類を当てるというもの。
バッテリー作りの実験は、木炭に塩水をしみこませたキッチンペーパーをまき、さらにその上からアルミホイルを巻いて作るというもの。作るのにもコツがあるようで、苦戦している学生たちの姿も見受けられましたが、できたバッテリーにつないだ豆電球が点いたり、オルゴールから「ハッピー・バースデー」ソングが流れると高校生たちからは歓声が上がっていました。

講座2

テーマ:「電子回路製作体験講座~センサと電子回路について考えてみよう~」
講師:吉河武文教授(電気電子工学科)

まず大切なのは「実際に手を動かして、ものを作ってみる」こと。そのような考えのもと、高校生たちが電子回路づくりに挑戦しました。
午前中は、私たちの生活に欠かせないスマートフォンで使用されているセンサと電子回路について学び、午後は学習キットを使用して、増幅回路と超音波の発生回路製作を行いました。最初はどうすればいいか分からず、戸惑っていた生徒たちも、手を動かしているうちに回路製作に慣れていった様子で、作業に没頭する姿が見受けられました。超音波を発生させる実験では、回路を制作し、うまく波形がとれた時は、とても嬉しそうに生徒同士で波形を見比べるなどしていました。 「思っていたより早く、きれいな波形がとれた」と、高校生ならではの飲み込みの速さに先生も驚いていました。

講座3

テーマ:「水質調査体験と浄水処理技術」
講師:三小田憲史講師(環境・社会基盤工学科)

この講座では、学内にある太閤池から実験用の水を採取するところからスタート。それを使用し、水質の変化や浄水処理の調査など、各種実験を行いました。
浄水処理実験では、凝集剤と呼ばれる「水を綺麗にする薬剤」を使用し、凝集剤の量などの条件を変え、採取した水に混ぜることで、どのように水が浄化されるのかを調べる実験が行われました。普段使用することのない器材を用いた実験に、生徒たちはやや緊張している面持ちでしたが、真剣に実験に取り組んでいました。浄水処理は私たちが普段使っている水道の基盤技術とも言えるため、極めて身近な実験になったはずです。環境問題を考える一つのきっかけになったのではないでしょうか。

この日の講座は10時から16時半まで行われました。どの講座に参加した生徒も先生たちの話をしっかり聞きながら、実験に取り組んでいた姿が印象的でした。専門的な講義や実験などの体験を通じ、科学に対する関心をもっていただけたのではないでしょうか。
校舎や設備の新しさにも驚いていた生徒たち。「こんなに設備の充実している富山県立大学で、いつかは勉強してみたい」そんなふうに思った生徒も、少なくないかもしれません。

講座を終えて 高校生の感想

講座1を受講して
金属特性の違いが実感できて、本当に面白かったです。自分たちの日常の中にある金属が、こんなふうに構成されているのかと知るいい機会にもなりました。金属を温めたりすることができたのも、楽しい体験でした。

講座2を受講して
「全く知識が無い状態から、本当に電子回路なんて作れるのか」そんな不安がありましたが、講座アシスタントの県大生の方々の手も借りながら、何とか完成することができました。講座もとても楽しく、分かりやすかったです。

講座3を受講して
凝集剤を混ぜれば混ぜるほど水は綺麗になっていくと思っていたのですが、そうではないことが実験で分かりました。また先生のお話の中の「綺麗になったからと言って、飲める水になったとは限らない」という言葉も印象的でした。


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