本文へジャンプ メインメニューへジャンプ
公立大学法人富山県立大学
富山県立大学受験生応援サイト
Scroll
ここから本文です

月刊ドンマスMonthly “DON-MAS”

Monthly “DON-MAS” Vol.34
県大出身の女性研究者2人にインタビュー!

今年の4月から県大工学部機械システム工学科の教員として活躍されている木伏理沙子(きぶしりさこ)先生と納所泰華( なっしょやすか)先生。お二人はなんと、機械システム工学科の卒業生で大学院博士課程修了までを県大で過ごされた、県大を知り尽くしていると言っても過言ではない存在。そんなお二人に、県大へ入学したきっかけや研究者になった理由、その魅力など色々語っていただきました。(以下、木伏先生:木伏、納所先生:納所)

左が木伏先生、右が納所先生
ものづくりへの「好き」や「楽しい」という気持ちが根幹に

木伏 私は、幼稚園の頃からオモチャの新幹線やショベルカーで遊んでいたんです。次第に乗り物や機械に興味が湧き、高校生の時には「ものを作りたい」と思っていました。当時の先生から「機械科に進んで機械の設計をしてみたらどう?」と勧められたのが、本学に入ったきっかけです。

納所 私の場合は、中学の時のロボットを作る授業がすごく楽しかったことが、機械に興味を持ち始めたきっかけです。また、当時も地球温暖化が叫ばれていて、環境問題にも興味がありました。ですから、機械にも環境問題にも取り組める機械システム工学科に進むことを決めたんです。当時は「ずっと作業着で加工している学科」というイメージがありましたが、実際に入学してみると、泥臭いことは全然しないのだなと思いましたね。

木伏 そうですね。授業で作業着になったのは工作実習の時ぐらいで、加工をしてばかりではなかったですね。

納所 私が最も印象に残っているのは、研究の一連の流れを体験できた授業です。チームで部品の構造を考えて設計し、実際に作って実験して、結果を議論しました。

木伏 私は技術だけでなく、倫理も学べたことが良かったですね。エンジニアは、人命を守るために安全性を十分考慮しなければいけないことや、環境への配慮も学ぶことができました。

どんどん強くなった研究者への想い

納所 私は最初から大学院に行くことは決めていましたが、博士号の取得は考えていませんでした。ただ、大学4年生の頃に先生から博士を勧められたことがずっと心にあり、院生になってからその道を目指す決心をしたんです。

木伏 私は学部で卒業しようと思っていましたが、研究室に入って研究の楽しさを知りました。先輩たちのアドバイスや同級生との会話の中に新しい発見があったんです。それから、大学院に興味が湧いてきました。研究者の道はまったく考えていませんでしたが、だんだん研究を続けたいなと思うようになっていったんです。

納所 研究は、私も楽しかったですね。最初の頃は失敗が多くて、「発表する内容がない」と先生に相談したら、「失敗も発表の仕方によっては研究内容だよ」と言われたんです。その一言がきっかけで、研究が面白くなっていきました。

木伏 研究をしているうちに、大学院に行かなかったら後悔すると思うようになって。 納所 私もそうでした。この道を選ぶのは今しかなく、それをできる人は限られていて、そのチャンスが自分に来たから失敗しても行ってみようと思いました。

研究を通じて、色々な人と交われることが楽しい

木伏 私は今、電子機器を冷却して寿命を長くする研究をしています。水や風を活用して冷やすと電気が必要になり、それを使いすぎると環境に負荷がかかるので、最小限のエネルギーで冷却することを目指しています。

納所 私は材料の寿命を伸ばし、安全性を高め、廃棄物を減らすために、材料が自ら傷を治せる研究に取り組んでいます。そのメカニズムは、材料の中のカプセル内に接着剤を入れておくことで、接着剤が傷の中に流れていってふさぐというもの。材料本来の特性を生かしたまま、カプセルの入れ方や組み合わせを変えることで、より高い修復効果を目指しています。

木伏 研究自体は自分一人、または学生と一緒に実行していますが、学会で発表する時に議論をする場があります。有識な先生方から意見やアドバイスをいただいて完成させていく、分からないことを明らかにしていくという過程が楽しいですね。

納所 私の研究室でも、客員教授や指導教員、企業の方など、いろいろな方々の意見が聞くことができます。分からないことだらけなので、常に発見があってどんどん学んでいけることが楽しいです。

木伏 最初の頃は、いろいろな人と関わるというイメージがなかったですよね。でも、結局いろいろな知恵や観点が必要になってくるから、たった一人で研究はできません。いろいろな人の協力で成り立っているのだなと改めて思います。

納所 一緒に研究をしていくうちに仲良くなるから、研究室には一体感もありますよね。

性別は気にしなくても大丈夫

木伏 入学前は女性の少なさが心配になるかもしれませんが、実際に入学したら性別が気になったことはなかったように思います。男の子と友達になって、一緒に勉強をしていましたね。

納所 入学前に不安になるのは、女性の先輩が少ないからだと思うんです。自分がパイオニアになるのは勇気がいるじゃないですか。そういう方は、日本機械学会のLAJ委員会が主催する女子学生向けの「メカジョ未来フォーラム」に参加されるといいかもしれません。女性研究者や女性技術者を招いて話を聞くもので、年に1回ぐらい開催されています。また、LAJ委員会では、女性の研究者や企業の方々が集まってお菓子を食べながらお話をする女性の交流会も開催しているので、あまり不安に思わずに来てもらえたらと思っています。

木伏 私は、自分の好きなことを探求できることが一番幸せだと思うんですよね。機械に興味があるのに、女の子が少ないからという理由で進学を断念するのはもったいないなと思います。興味がある方へ進んだらいいですよ。

納所 女性の先生もここにちゃんといますしね(笑)

県大の先生は、ずっと関わってくれます

木伏 私自身が、特に県大でよかったなと思うのは、先生と学生の距離の近さですね。顔を覚えてもらえる少人数制なので、学生が先生に対してアクションしやすく、質問にも優しく丁寧に答えてくれます。

納所 私も学生の頃は、授業の後によく質問に行っていましたね。

木伏 卒業するまで成長過程を見てもらえる環境だったからこそ、ここに残りたいと思ったのかなって。私は勉強がそんなにできませんでしたが、先生が「やればできるから」と言ってくれるので、頑張ることができました。

納所 見放さないですよね。ずっと関わってくれるというか。

木伏 「君はこれが苦手だけど、これが得意でしょう」と、長所を見つけて伸ばし方を教えてくださるんですよね。

納所 私は、「いい研究者になれると思うよ」と言われて有頂天になりました(笑)。何気ない一言でも、そういう言葉は学生にとっては励みになるし、力になるんですよね。

木伏 ここには、そういうふうに声をかけてくださる先生方がたくさんいます。

納所 スマートフォンやゲーム機など、機械はいろいろな分野に携わっているので、何か一つでも興味が湧いたら、機械システム工学科への進学を考えてみるといいのかなと思います。就職先も幅広いですよ。

木伏・納所 是非、県大にきて私たちと一緒に学びませんか。お待ちしています。

※「Ladies’ Association of JSME」の略で、機械工学分野における女性研究者・技術者の活動を支援し、日本機械学会の女性会員の増強を図ることを目的としている組織です。 参考URL:https://www.jsme.or.jp/laj/


県大生にインタビュー
県立大学のいいところ、教えてください。
職員

教員や事務の方々は皆さん優しい方が多く、心強いです。

[看護学科3年 A・Fさん]

工学部との連携

看護学部とは違った視点で学べるので、ためになります。

[看護学科2年 H・Kさん]


ここからフッターです
ページの終了です