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月刊ドンマスMonthly “DON-MAS”

Monthly “DON-MAS” Vol.26
富山県立大学 看護学部 講座紹介特集。第三回!
充実の専門科目、3分野8領域9講座

これまで月刊ドンマスで紹介してきた県大看護学部の講座紹介。第1回は成人看護学(急性期)、成人看護学(慢性期)、老年看護学を第23号で紹介しました。2回目は小児看護学、母性看護学、精神看護学を第25号で紹介。そして今回は、基礎看護学、在宅看護学、地域看護学の3講座を紹介します。

基礎看護学講座

基礎看護学講座は、山本麻理奈(やまもと まりな)講師にお話をお聞きしました。明るい笑顔が印象的だった山本先生。わかりやすく、お話をしてくださいました。

山本講師
少人数教育と充実した設備でしっかりと看護の基礎を学べます

基礎看護学講座は看護教育の基礎を担っており、主に1、2年生を対象に教育をしています。看護学を学ぶ上で重要な看護・人間・健康・環境の 4つの概念や看護実践のための根拠となる理論、医療・看護に不可欠な倫理学、そして科学的根拠に基づいた看護ケア技術についての教育・研究を行っています。
基礎看護学講座では、学んだ知識と技術を統合するための看護ケア技術の学内演習に力を注いでいます。基礎看護学実習室には、「血圧測定シミュレータ、フィジカルアセスメントモデル、注射・採血モデル」などの、最新のシミュレータトレーニングモデルを備えています。それぞれ複数台ありますので、授業はもちろん自主学習でも少人数の学生で使用することができます。シミュレータは、学習者が実践した技術を数値や波形などの客観的な指標でフィードバックしてくれますので、学生それぞれが自身の学習課題に沿った練習に取り組むことが可能となります。授業や練習中は経験豊富な教員が少人数の学生を受け持ち、疑問や不安が解消できるようにしっかりサポートしています。

ケアする側とされる側の意思疎通の改善のためにできることは何か

私は筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう ※以下、ALS)という、手足・のど・舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉がだんだんやせて力がなくなっていく指定難病に向き合う患者さんとその家族の方が療養を継続していくためのサポートについて研究をしています。
日本では家族で療養生活に必要なケアを行っている方々が多くおられますが、家族員は様々な事情を抱えています。また意思疎通が非常に難しいため、ケアする人とされる人の間で意見の相違が生じ、療養生活に疲れてしまうことがあります。こういった方たちには誰かの手助けが必要です。
私は主に患者さんやその家族へのインタビューを行いながら、家族が療養生活を継続するための要因や方法について研究しています。研究と並行して患者会の支援やボランティア活動に取り組んでおり、この活動には看護学生も一緒に行っています。活動を通じてコミュニケーションに困難を抱える方が多いことがわかり、昨年からは工学部の先生方と一緒にALS患者さんとその家族が使用しやすいコミュニケーションツールの開発に向けた実験も進めています。
家族の在り方が多様化する中で、看護職として患者さんや家族の方と向き合い支えていくために、何ができるか一緒に考えてみませんか?

皆さんの伴走者として、精一杯サポートします

富山県立大学では、4年間をかけて皆さんが看護学をしっかり学べるようにサポートしています。少人数教育のため、学修だけではなく生活のサポートも十分に受けることができます。2020年は新型コロナウイルスの流行で、大学へ登校することもままならない状況でした。遠隔授業が実施できるように、教員と学生が連絡を取り合って困難な状況を乗り越えてきました。
看護専門職の需要が高まる中、昨今、医療現場で苦労する方の話も皆さんは数多く聞いていると思います。確かに看護職は大変な仕事ですが、この仕事は、やはり「人と人」とが関わりながらのものです。その中で患者さんからいただく幸せを感じる瞬間が誰にも必ずあると私は思っています。やりがいや喜びを感じる場面も数多くありますよ。あと看護の仕事は決して一人で行うものではありません。看護職同士の連携、さらに医師や薬剤師などの医療職、介護職、福祉職など多くの方々と連携を図る「多職種連携」の考え方のもと、お互いに意見交換をしながら支えあって仕事をしています。
皆さんを支えてくれる多くの人がいます。私もその一人として、看護職を目指す皆さんが夢を叶えるまで、学生生活の伴走者として精一杯皆さんをサポートします。ですから、安心して存分に本学で学んでもらいたいですね。皆さんにお会いできることを楽しみにしています

基礎看護学講座の先生方
在宅看護学講座

在宅看護学講座は、山﨑智可(やまざき ちか)講師にお話をお聞きしました。明るくチャーミングな表情や語り口調で、笑顔の絶えない明るい雰囲気を作ってくださいました。

山﨑講師
幅広い世代の人たちの生活を支えるには、適応力と連携力が大事

在宅看護学講座では、病気や障害を持ちながらも、住み慣れた自宅や地域でその人らしく生活することを支える看護の教育・研究を行っています。赤ちゃんから若者、高齢者までさまざまな疾患・障害を持つ方を対象としているため、豊富な知識や技術が必要です。加えてご自宅に訪問させていただくため、訪問マナーをはじめ、看護師自身の人間性が問われます。これらを身につけることは容易ではありませんが、それに取り組めることが当講座の魅力です。私が在宅看護学に取り組み始めたのは、今から約10年前。当時はまだマイナーな分野でしたが、その知識や技術がこれからの時代に必要になるだろうと強く感じていました。
対象とする方々は、病状が安定している場合が多いのですが、その状態は当たり前ではなく、ご本人・ご家族・医師・訪問看護師・訪問介護などのチームケアにより成り立っています。また、ご本人やご家族が望む生活の継続が重要です。ご本人やご家族を敬う心を持ち、各家庭によって異なる習慣や価値観を受け入れながら、生活を支えていかなければなりません。「その家らしさ」「その人らしさ」に適応するとともに、技術面では心身の小さな変化を見逃さず、保健・医療・福祉職の方と連携する力を持つ看護師を育てたいと思っています。

精神疾患を持つ方が、リラックスした生活を送るために

今は、病院ではなく、自宅や施設で暮らす精神疾患を持つ方とご家族への支援を柱に研究しています。看護は医療的ケアだけでなく、生活面の援助も行います。入浴ができない方には、清潔やリラックスを目的に、手や足を10〜15分ほど湯に浸ける部分浴を行います。患者さんにとって身体的負担が少なく喜ばれるケアの一つであり、血圧の低下や副交感神経の向上が報告されています。また、その時間は、二人きりでコミュニケーションがとれるため、いろいろなことをお話してくださることも。その様子を見ていると、昔ながらの簡単なケアではありますが、もっと知られていない効果があるのではないかと思います。
うつ等の精神疾患は、脳内の神経伝達物質の機能低下が原因ともいわれているため、現在は健常者を対象に部分浴を実践し、前頭前野の脳血流に与える影響についての基礎的な研究を行っています。少しずつエビデンスを積み重ねて優れた効果を明らかにし、ゆくゆくは在宅の精神疾患を持つ方に部分浴をしていただくことを目指しています。そのような方のストレスを軽減し、リラックスした生活ができるよう支援していきたいですね。

教員と先輩を頼って、安心できる大学生活を

本学部のトピックゼミでは、教員が1学年4名の学生を受け持ちます。少人数なので、自然に教員と親しくなれます。看護キャリアのことから日常生活のことまで、どんなことでも相談してくれたらと思っています。また、大学生活では予期せぬことが起こる場合もあります。そんなときに相談しやすいお兄さんやお姉さんがいてくれたら心強いだろうと思い、2年生には「1年生に助言してあげてね」と言っています。また、1・2年生がオンライン上で互いに話し合い、教え合える場を設けるなど、よりよい縦のつながりを作れるよう心がけています。積極的にコミュニケーションをとっていってくれたら嬉しいですね。教員や先輩からの手厚いサポートを受けながら4年間を安心して過ごすことができますので、ぜひ本学で看護を学んでもらえたらと思っています。

在宅看護学講座の先生方
地域看護学講座

地域看護学講座は、越田美穂子(こしだ みほこ)教授にお話をお聞きしました。この学問への熱い想いを秘めながら、スマートかつ的確な語り口で分かりやすく話してくださいました。

越田教授
健康という視点で、あらゆる人の生活、人生をサポート

地域看護学とは、地域で生活をしている、赤ちゃんから高齢者の方まですべての人を対象に、健康に関するさまざまな支援を行うための学問です。具体的には、地域で健康な人をより健康にするための支援や、病気を早期発見・治療するための支援、また病気をこれ以上重症化させないための支援、そして高齢化による身体面での老化や認知症といった状態となっても、住み慣れた場所で可能な限り最後まで生活できる支援活動を学びます。支援方法は、健康教育や相談・指導、家庭訪問、当事者やその家族や友人、ボランティア等の地域住民と協働して組織的に支援する技術を、地域看護学概論、地域看護方法論等の講義や演習・実習等で学びます。学生の皆さんも実は地域の「一生活者」であることを意識すると、当事者意識が芽生え、自分の生活を看護の視点で見つめ直すことができると思います。そして生活がずっと続いていくように、この学びに終わりはありません。
今は、地域で多職種が互いに協力をして当事者を支援するようになりました。地域包括ケアシステムにおけるさまざまな地域での看護活動に従事し、リーダーとしても活躍できる看護師を育成しています。看護師としてできることは何なのかを自分で考え、仕事を通してその考えを周囲と共有し、課題を解決する力を身につけてもらいたいと思っています。看護職として地域包括ケアを背負って立つような人たちがたくさん育つといいなと思っています。

保健師の経験を生かしながら、ユマニチュードの普及に努めています

保健師は、行政や産業の場を中心に活動する看護職で、主に地域住民の健康を守る仕事をしています。新型コロナウイルス感染症対策をはじめ、虐待や自殺予防、さまざまな疾患の予防などを支援する看護職として、その活躍への期待はますます大きくなっています。私は、行政で保健師を約17年間務めた後、今の道に進みました。よって専門は、その経験を生かした地域看護学・公衆衛生看護学です。研究テーマは、保健師の人材育成プログラム開発、保健事業評価を中心に、主に行政で働く保健師の活動に関する研究を行っています。
今は、本学部の特色である「ユマニチュード」の技術を、地域で認知症予防に取り組む保健師等の専門職や当事者・家族の支援に取り入れ、そのプログラム開発と効果評価を行う研究を始めたところです。また、2020年12月には、ユマニチュードの簡単な演習や研究の紹介などを行う、高校生を対象とした科研プログラムを開催しました。この研究を進めることが県内全域でのユマニチュードの普及にもつながると考えています。

ここで看護をしっかりと学び、また専門職として学び続ける意欲を身につけてください

本学看護学部は、将来のリーダーとなれる看護師の育成を目的としています。そのため、学部4年間は看護師の基礎教育に特化し、またその中で「ユマニチュード」や工学部と連携した「看工連携科目」といった、本学部でしか学べない特色のある科目もカリキュラム化されています。また、少人数制による丁寧できめ細やかな教育も実施しています。さらに県内医療機関や福祉施設、厚生センターなど、さまざまな関係組織と連携を取り、一体となって学生をフォローする体制も整えています。ぜひ本学部で教員や仲間たちと一緒に充実した4年間を過ごし、看護職として将来活躍してほしいと思います。
今後は、保健師・助産師を目指す専攻科や修士課程の開設が予定されており、学部を卒業しても学び続けることができる環境も整備していきます。看護職はその仕事を辞める瞬間まで、興味のあることを探求し、必要なことを吸収し続けることが責務です。なぜなら、日々進化する看護・保健の知識を身に着け、技術を体得し続けることが専門職としての質を担保するからです。その基盤となる教育と学び続ける意欲を、ぜひ本学部で身につけてほしいと考えています。

地域看護学講座の先生方

全3回にわたる講座紹介、いかがだったでしょうか?講座により学ぶ内容は様々ですが、どの先生も明るく、いきいきされていたのがとても印象的でした。また、皆さんと一緒に学べることを心から楽しみにしていらっしゃいました。
県大看護学部に入学したら、きっと皆さんのよき理解者として支えになってくださいますよ。


県大生にインタビュー
県立大学のいいところ、教えてください。
設備

実験用の測定器の精度が高かったり、設備はとても充実していると思います。

[医薬品工学科4年 S.Yさん]

少人数制

少人数制なので、先生に何かと声をかけやすいのが県大のいいところですね。

[電子・情報工学科4年 F.Hさん]


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