富山県立大学(以下、県大)の学科拡充による学生数の増加に対応するため、富山県において射水キャンパスの新校舎の整備が行われ、令和2年から供用を開始しています。今回、そんなピカピカの新校舎をご案内します。
新校舎は、9階建鉄筋コンクリート造で高さは約42m。富山県のアルミ技術を活かしデザインした地域のランドマークとなるシンボル的な外観となっています。色は高岡の伝統産業に使われる銅とアルミのシルバーの二色が組み合わせられており、近代的でありながらも落ち着いた雰囲気も醸し出しています。低層部は、既存棟の色彩と一体感を持たせ、全体の調和を図り、高層部はコンパクトな「コの字型」となっています。
建物構成は1Fオープンラボ、地域連携センター、 実験室等、2Fは講義室等、3Fは教養教育、4Fは機械 システム工学科、知能ロボット工学科、5Fは情報システム工学科、6F は環境・社会基盤工学科、7Fは 医薬品工学科、環境・社会基盤工学科、8Fと9Fは 医薬品工学科となっています。


新校舎は、学生や教員の交流が盛んになり、学生たちが快適に学生生活を送ることができるように様々な工夫が施されています。まずは、新校舎を南北に貫く吹抜けホール。6Fまで突き抜けた大きな吹抜け空間の周りには回廊があり、互いの学習・動きが見えるようになっていて学習・研究の交流空間を構成しています。自然採光や自然通風に配慮するなど、快適な教育環境も創出しています。大講義室も自然を感じられるよう北側に配置され、潤いや安らぎを感じられる空間となっています。
アクティブラーニングスペースや各階にはラーニングコモンズと言われる談話・交流スペースを配置し、学生の主体的な学びが創出されるようにもなっています。




新校舎の完成により、研究設備はますます充実!新しくつくられたクリーンルームもその一つ。今回、工学部医薬品工学科竹井敏(たけい・さとし)教授にお話をお聞きすることができました。
竹井教授は、産業界から要望のある光・電子機能性材料の商業化を目的とし、国内外の化学・機械装置・デバイス分野の企業と研究連携体制を構築し、民間企業で開発を続けられてきました。現在は、ナノレベル※の表面加工材料技術を活用しライフサイエンス・ヘルスケア機能材料の基礎研究に取り組んでいらっしゃいます。具体的には、ナノ密集突起による抗菌・殺菌性機能フィルムや化粧品などに活用する高浸透性マイクロニードルの開発など、医療品や家庭用品などへの実用化を目指されています。
※ナノレベル…1ナノメートル=10億分の1メートル
クリーンルームとは、空気洗浄度が確保されたほこりや塵の混入がない部屋。産業ごとにそれぞれに要求仕様があり、例えば半導体集積回路や液晶パネルの製造工場などでは、より高い清浄度の部屋を必要とするそうです。医薬品工学科の関連分野である医薬品、食品および化学業界でもクリーンルームはなじみが深いこと、地域連携を通じたモノづくりを県大として今後一層進めていくことから、本格的なクリーンルームをつくることになったそうです。県大の新クリーンルームは1時間に10回程度の換気、温度と湿度が常時一定になるようにコントロールされており、入室に際しても埃や塵が入らないように専用の全身を覆う専用のクリーンウェアやマスクやゴーグルなどを着装し、二重扉の出入口で清浄空気のエアシャワーを浴びて塵埃を落としてから入室することがルール化されています。竹井教授もナノ密集突起による抗菌の実験などもここで行っているそうで、「研究環境としてはバッチリです」と嬉しそうに教えてくれました。また、今後たくさんの研究が行われていくことを楽しみにされていたのが印象的でした。



新校舎の様子は、高校生サイト内「パノラマビュー」でもご覧いただけます。今回紹介した場所以外も見ていただくことができますので、是非一度チェックしてみてください。
「ドンドンマスマス」成長する県大ををお見逃しなく!
きれいな校舎で学べるので、明るい気持ちになり、やる気にもつながります。
[看護学科1年 M.Aさん]
研究のことはもちろん、プライベートの話も色々相談にのってもらえるので心強いです。
[環境・社会基盤工学科4年 T.Tさん]