会話補助デバイス/アプリの研究

【テーマ名】
「能動型音響制御手法を活用した身体不自由者・高齢者の会話を円滑にする会話補助デバイスの研究」
 ※平成30年度・富山県立大学・地域志向研究支援
【研究成果例】
● アプリの動作時の様子 動画写真1写真2

【背景と目的】
 難聴の方の会話を円滑にする会話補助デバイスの研究を学生主体(4年生1名,3年生1名)で行い,学生の教育・研究レベルの向上とともに難聴の方に対する理解を深めました。富山市内,射水市内の介護施設や市役所などを訪れ,難聴の方や難聴の方の支援を行っている方へのヒアリング調査を行い,その結果を踏まえ,難聴の方の支援に役立つ会話補助デバイスの仕様の検討と試作を行いました。ヒアリング調査の結果,個々人により会話補助が必要な声・音の周波数帯域が異なること,及び,可搬性・ユニバーサルデザイン性に優れたデバイスへの要望が高いことが明らかとなりました。このため,既存のスマートフォンやタブレットに容易にインストール可能で,なおかつ,個々人の聞こえの状況に応じて容易に調整が可能な会話補助アプリを試作しました。

【研究結果】
 申請時に掲げた,(1) 身体不自由者・高齢者の会話の円滑化を妨げる発声音の特定,(2) 特定した発声音の特徴の分析,(3) 発声音の改善方法の提案と改善後の発声音イメージの作成,(4)考案した改善を実現する制御アルゴリズムの考案,(5)考案した制御アルゴリズムを実現する制御デバイスの仕様の考案,の5つの目標を達成しました。また,予算の関係上ハードウェアの試作が困難であったため,既存のスマートフォンやタブレットに容易にインストールが可能で,なおかつ,個々人の聞こえの状況に応じて容易に調整が可能な会話補助アプリを試作しました。なお,研究成果は大学内で平成31年2月に開催されました平成30年度・地域協働授業成果発表会で発表しました。また,射水市主催のいみず学生アイディアコンテストに政策として提案応募しました。

【今後の展開】
今後は以下の3点を行い,低価格な会話補助デバイスの普及・拡大による難聴の方の生活の質の更なる向上,令和2年度開講予定の「看護ケアと工学」での研究成果の教育活用の実現を目指して研究を進めます。
1. 試作したアプリの使い勝手の向上
2. 地域の難聴の方への使い勝手を向上したアプリの配布・普及
3. 令和2年度から開講の「看護ケアと工学」での講義の教材としての利用

2022年・テクノアイデアコンテスト「テクノ愛2022」・奨励賞受賞

2019年03月14日