富山県立大学工学部 バイオ医薬品工学講座 長井研究室

ごあいさつGreeting

長井研究室は、平成30年4月1日に富山県立大学工学部医薬品工学科に発足した新しい研究室です。自然免疫をキーワードに、慢性炎症性疾患の病態解明と免疫難病の治療薬の開発について研究を推進しています。

Toll-like receptor(TLR)は病原体の構成成分を特異的に認識し、感染防御反応に重要な役割を果たす自然免疫系のセンサーです。私達はこれまでに、TLR4に会合するMD-2がグラム陰性菌の内毒素(エンドトキシン:LPS)の認識に必須の分子であることを解明し(Nagai Y et al. Nat Immunol 2002)、更にTLRファミリー分子による自然免疫制御機構及び造血制御機構を明らかにしてきました(Nagai Y et al. Blood 2002; Nagai Y et al. J Immunol 2005; Nagai Y et al. Int Immunol 2012; Yanagibashi T et al. Immunol Lett 2015; Nagai Y et al. Immunity 2006)。また、自己免疫病やメタボリックシンドロームなどの慢性炎症性疾患におけるTLRファミリー分子の新たな機能について報告してきました(Sasaki S et al. Mol Immunol 2012; Watanabe Y et al. Diabetes 2012)。このように自然免疫系は感染防御だけでなく、生体の恒常性維持に重要な生命システムの一つであり、自然免疫系と他臓器との動的クロストークとその破綻のメカニズムを今後も明らかにし、慢性炎症性疾患の病態の理解に繋げたいと考えています。

また、これらの成果に基づき、近年では天然薬物・化合物による自然免疫制御に着目し、メタボリックシンドロームや自己免疫病などの慢性炎症性疾患に対する創薬シーズの探索を進めています。これまでに、新規TLR4活性化剤及びTLR4阻害剤、インフラマソーム阻害剤、TLR7阻害剤を見いだしました(Okamoto N, et al. J Biol Chem 2017; Honda H et al. J Leukoc Biol 2012, Honda H et al. J Leukoc Biol 2014, Watanabe Y et al. Sci Rep 2016)。現在、これらの作用解析、in vivo有効性評価、化合物最適化などを製薬企業及び他大学・研究機関、富山県薬事総合研究開発センターと共同で推進し、創薬へと向けた応用研究を展開しています。

富山から世界へと発信できる研究を推進すると共に、「くすりの富山」を支える技術者・研究者の育成に貢献したいと思っております。意欲的な研究者、学生の参加を期待しております。皆様のご支援をよろしくお願い致します。

新着情報Whats' New

                   
研究成果がGenes to Cellsに発表されました。医薬品工学科河西先生、自治医科大学、富山県薬事総合研究開発センターとの共同研究成果です。
大学院生3名が第52回日本免疫学会学術集会で発表しました。
1月17日
五十嵐直哉:ポスター発表 [WS04-25-P] Impact of the gut the microbiota and their metabolites on the development of non-alcoholic steatohepatitis in type 2 diabetic TSOD mice and their control TSNO mice
1月18日
可児晃大:ポスター発表 [WS19-11-P] The innate immune receptor RP105 induces metabolic syndrome by intestinal barrier dysfunction and alteration of gut microbial composition
髙野峻:ポスター発表 [WS11-08-P] Modulation of gut microbiota by antibiotics treatment affect the development of liver inflammation and fibrosis in a novel dietary mouse model of NASH
長井教授が公益財団法人田村科学技術振興財団の2023年度研究助成に採択され、贈呈式に出席しました。
10月から3年生4名が研究室に配属され、歓迎会を行いました。
3年生配属の前に、皆で研究室の大掃除をしました。その後、焼肉で打ち上げをしました。
卒業生の槙内さん(現名古屋市立大大学院博士前期課程)の論文が、Biomedicinesにオンライン掲載されました。医薬品工学科古澤准教授、徳島大学との共同研究成果です。
富山大学第一内科との共同研究成果が発表されました。
研究内容がWebマガジン「Wellulu(ウェルル)」で紹介されました。
第7回富山・バーゼルジョイントシンポジウムにおいて、M2の五十嵐君が口頭発表を、D2の可児君がポスター発表をしました。
五十嵐君はSelected Presenterとして表彰を受けました。
卒業生の葛西君が「県内就職した大学院生の本音トークLIVE」に登壇しました。
医薬品工学科村上先生との共同研究成果が発表されました。
医薬品工学科古澤先生との共同研究成果が発表されました。
D2の可児君が第44回日本炎症・再生医学会でポスター発表をしました。
[P6-5]自然免疫受容体RP105は腸内細菌叢の変容及び腸管バリア機能の破綻を誘導し、メタボリックシンドロームの発症に関わる
滑川高等学校の教員・保護者の方20名が研究室見学に来られました。
大学院生2名が第59回日本肝臓学会総会で口頭発表をしました。
6月15日
髙野峻:[O-24]抗生剤投与による腸内細菌叢変化がNASHの発症・病態に与える影響の解析
6月16日
五十嵐直哉:[O-115]肝臓構成細胞に着目した非アルコール性脂肪性肝炎進展の差異に関する研究
大学院生3名が日本生化学会北陸支部第41回大会で口頭発表しました。
可児晃大:[学生演題F-2] メタボリックシンドロームにおいて、自然免疫受容体RP105は腸内細菌叢の構成を変化させ、腸管バリア機能の破綻を誘導する
五十嵐直哉:[学生演題A-2] 肝臓免疫細胞に着目した非アルコール性脂肪性肝炎進展の差異に関する研究
髙野峻:[学生演題A-4] 抗生剤投与による腸内細菌叢変化がNASHの発症・病態に与える影響の解析
D2の可児君の論文が、Biochemical and Biophysical Research Communicationsにオンライン掲載されました。 医薬品工学科古澤准教授、徳島大学との共同研究成果です。
経鼻投与型ワクチンのための新規粘膜アジュバントに関する特許を、富山県薬事総合研究開発センターと共同で出願しました。
研究室で花見を行いました。
医薬品工学科古澤先生との共同研究成果が発表されました。
M2の石橋さんが日本薬学会第143年会でポスター発表をしました。
[26P1-pm2-134S]ポリエチレングリコールによる腸内細菌叢の変動と食餌誘発性肥満への影響
第1期生の博士前期課程3名と第3期生の4年生3名が学位授与式に出席しました。
第1期生の博士前期課程3名と第3期生の4年生3名の送別会を行いました。
M2の葛西君の論文に関する記事が富山新聞に掲載されました。
M2の葛西君の論文が、International Jornal of Molecular Sciences(IF: 6.208)にオンライン掲載されました。 医薬品工学科古澤准教授、河西講師、徳島大学、富山県薬事総合研究開発センターおよび富山大学との共同研究成果です。 大学からプレスリリースしました。
大学院生5名が第51回日本免疫学会学術集会で口頭発表とポスター発表をしました。
12月8日
葛西海智:口頭発表・ポスター発表 [WS14-11-O/P] Impact of changes of the gut microbiota on the development of liver inflammation and fibrosis in a novel dietary mouse model of non-alcoholic steatohepatitis, “3-F mice”
12月9日
可児晃大:ポスター発表 [WS30-17-P] Roles of an innate immune receptor RP105 in the disruption of intestinal barrier function associated with metabolic syndrome
多田有希:ポスター発表 [WS29-13-P] Analysis of liver macrophage subsets in a novel dietary mouse model of non-alcoholic steatohepatitis, “3-F mice”
五十嵐直哉:ポスター発表 [WS29-12-P] Differential pathogenesis of non-alcoholic steatohepatitis in type 2 diabetic TSOD mice and their control TSNO mice
髙野峻:ポスター発表 [WS30-05-O/P] Roles of the innate immune receptor RP105 in the development of nonalcoholic steatohepatitis
長井教授がフォーラム富山「創薬」第56回研究会において講演を行いました。
M2の多田さんの論文に関する記事が富山新聞に掲載されました。
M2の多田さんの論文が、International Jornal of Molecular Sciences(IF: 6.208)にオンライン掲載されました。 医薬品工学科古澤准教授、河西講師、徳島大学、富山県薬事総合研究開発センターおよび富山大学との共同研究成果です。 大学からプレスリリースしました。
県立大学HPの高校生向け特設サイトで長井研究室が紹介されています。
10月から3年生3名が研究室に配属され、歓迎会を行いました。
M2の石橋さんが第27回日本フードファクター学会学術集会で口頭発表をしました。
[YIA-6]イソリクイリチゲニンによる腸内細菌叢の変動を介したメタボリックシンドロームの改善
医薬品工学科古澤先生との共同研究成果が発表されました。
長井教授がActive Enzyme Molecule 2022でポスター発表をしました。
[BRC04] Roles of the gut microbiota on the development of liver inflammation and fibrosis in a novel dietary mouse model of non-alcoholic steatohepatitis
Yoshinori Nagai, Kaichi Kasai, and Yukihiro Furusawa
D1の学生1名とM2の学生3名が第43回日本炎症・再生医学会でポスター発表をしました。
多田有希:[P2-3]新規NASHモデルマウス“3-Fマウス”における肝臓中自然免疫系細胞サブセットの解析
可児晃大:[P7-1]メタボリックシンドロームの腸内環境異常における自然免疫受容体の研究
石橋璃子:[P7-2]イソリクイリチゲニンによる腸内細菌叢の変動を介したメタボリックシンドロームの改善
葛西海智:[P9-2]新規NASHモデルマウス“3-Fマウス”の炎症・線維性変化に与える抗生剤投与の影響
M2の石橋さんが第30回日本生化学会北陸支部大会で発表し、学生ベスト発表賞の優秀発表賞を受賞しました。
演題名:イソリクイリチゲニンによる腸内細菌叢の変動を介したメタボリックシンドロームの改善
M2の葛西君が第58回日本肝臓学会総会でポスター発表をしました。
[P-37]NASH線維化亢進モデルマウス"3-Fマウス"における腸内細菌叢及び胆汁酸組成の変化
研究活動に関する記事が北日本新聞に掲載されました
M2の石橋さんの論文が、Molecular Nutrition & Food Researchの表紙に採用されました。
M2の学生2名が第65回日本糖尿病学会年次学術集会で口頭発表をしました。
石橋璃子:[Ⅲ-126-2] イソリクイリチゲニンによる腸内細菌叢の変動を介したメタボリックシンドロームの改善
葛西海智:[Ⅲ-126-4] 非アルコール性脂肪性肝炎の新規モデルマウス“3-Fマウス”における腸内細菌叢及び胆汁酸組成の解析
M1の学生2名が日本薬学会第142年会で口頭発表をしました。
葛西海智:[28I-am10S]線維化亢進非アルコール性脂肪性肝炎モデルマウス“3-Fマウス”における腸内細菌叢及び胆汁酸組成の解析
石橋璃子:[28M-pm11S]イソリクイリチゲニンによる腸内細菌叢の変動を介したメタボリックシンドロームの改善
研究成果が北日本新聞で紹介されました。
博士前期課程1名と第2期生4名が学位授与式に出席しました。
博士前期課程の石橋さんの論文が、Molecular Nutrition & Food Research(IF: 6.575)にオンライン掲載されました。
医薬品工学科古澤准教授、生物工学科生城教授、西川助教、富山県薬事総合研究開発センターおよび富山大学等との共同研究成果です。
大学からプレスリリースをしました。
槙内さんの送別会を行いました。
富山県薬事総合研究開発センターとの共同研究成果が、発表されました
長井先生の記事が北日本新聞に掲載されました。
M1の学生3名が第50回日本免疫学会学術集会でポスター発表をしました。
12.8 [1-B-WS2-12-P] Kaichi Kasai: Analysis of gut microbiota and intestinal immune cells in a newly established dietary model of non-alcoholic steatohepatitis, “3-F mice”
12.9 [2-A-WS12-12-P] Riko Ishibashi: A licorice-derived ingredient ameliorates metabolic syndrome through the alteration of gut microbiota
12.10 [3-E-WS21-15-P] Yuki Tada: Analysis of liver macrophage subsets during the development of a newly established dietary model of non-alcoholic steatohepatitis, “3-F mice”
10月から3年生3名が研究室に配属されました。
第1期生3名が学位授与式に出席しました。
富山大学薬学部との共同研究成果が、J Inherit Metab Disに発表されました。
4月から大学院生1名、10月から3年生4名が研究室に配属されました。
長井先生の記事が富山新聞、北日本新聞、日本経済新聞に掲載されました。
AMED「産学連携医療イノベーション創出プログラム・基本スキーム(ACT-M)」に採択されました。新薬開発を目指し、非臨床試験を中心とした研究を推進します。
大学からプレスリリースをしました。
研究室が中央棟の7階に移動し、研究環境が整いました。
富山大学第一内科との共同研究成果が、Scientific Reportsに発表されました
生物・医薬品工学研究センターセミナー「歯周組織再生療法の最前線」を開催しました。
生物・医薬品工学研究センターセミナー「Your cancer, Your cells, Your cureiPS細胞由来のキラーT細胞を用いた自家移植によるがん免疫療法の開発」を開催しました。
イメージングフローサイトメトリー ImageStream MkⅡを導入しました。
研究室配属の3年生の歓迎会を兼ねて忘年会を開催しました。
BioJapan2019で、AMED ACT-MSの成果について発表しました。
セルソーターFACSMelodyを導入しました。
研究成果が北日本新聞で紹介されました。
サマースクールの特別講義のため、バーゼル大学のJean Pieters教授に来学していただきました。本学の教員と情報交換をしていただき、交流を深めました。
研究成果に関する総説が臨床免疫・アレルギー科第72巻第2号に掲載されました。
研究成果が富山新聞で紹介されました。
論文がThe FASEB Journalにオンライン掲載されました。大学からプレスリリースしました。
第40回日本炎症・再生医学会に参加し、ポスター発表を行いました。
本学の客員教授であり、医薬基盤研究所プロジェクトリーダーの安居輝人先生にご講演いただきました。
論文がThe FASEB Journalにアクセプトされました。富山大学、富山県薬事総合研究開発センター、金沢大学、慶應義塾大学などとの共同研究成果で、内臓脂肪組織炎症における好中球と脂肪細胞とのクロストークに関する論文です。
新型のフローサイトメーター Attune NxT Flow Cytometer を導入しました。
テイカ製薬(株)より共同研究員として岡本直樹主任が研究室に参加しました。富山大学寄附講座での6年間の共同研究を本学で継承し、創薬研究を推進します。
「くすりのシリコンバレーTOYAMA」創設コンソーシアムのキックオフシンポジウムで、研究開発プロジェクトの紹介を行いました。
FACSCantoなど多くの機器を富山大学から移設しました。
12月11日(火)に第47回日本免疫学会学術集会のシンポジウム5「Immune response and cell metabolism」にて、講演を行いました。
鈴木謙三記念医化学応用研究財団のH30年度調査研究助成に採択されました。
11月29日(木)に名古屋で開催された贈呈式に出席しました(贈呈式の様子)。
10月22日(月)に富山県民会館で開催された「免疫バイオ・創薬探索研究講座シンポジウム〜炎症・アレルギーの理解と創薬展開を目指した免疫学〜」にて、講演を行いました。
10月9日(火)にホテルグランテラス富山で開催された「フォーラム富山「創薬」第48回研究会」にて、講演を行いました。
9月8日(土)に開催された「富山県立大学生物工学研究センター 研究成果発表会」にて、講演を行いました。
8月23日(木)、24日(金)に開催された「第5回富山・バーゼル医薬品研究開発シンポジウム」にて、講演を行いました。
第5回富山・バーゼル医薬品研究開発シンポジウム
2017年9月のバーゼル訪問の際に交流したProf. Jean Pieters(University of Bazel, Biozentrum)をお招きし、富山大学で講演会を開催しました。
長井教授が日本リウマチ財団塩川美奈子・膠原病研究奨励賞を受賞しました。
授賞式に出席し、受賞講演を行いました。
塩川美奈子・膠原病研究奨励賞
授賞式・講演会の様子)
機器の一部を富山大学から移設しました。
総説が臨床免疫・アレルギー科第69巻第5号掲載されました。
「肥満に伴う内臓脂肪組織炎症とメタボリック症候群における好中球の役割」
研究内容が文藝春秋5月号で紹介されました。
「この病いにはこう備えよ [糖尿病]5種類の漢方薬を使い分ける」
長井教授が着任し、研究室が開設されました。
PAGE TOP