

機械工学に関する確かな基礎学力、幅広い視野、豊かなコミュニケーション能力をもち、持続可能な社会の構築に貢献する機械技術者の育成を目指しています。機械システムの企画から設計、生産、廃棄までを一貫して見渡した「環境調和型ものづくり」技術開発を実験や数値シミュレーションを用いて推進し、課題探求・解決能力の向上を図ると共に、豊かな人間性を育むことに注力しています。
一口に機械と言っても幅広く、パソコンやスマートフォンといった小型のものから、自動車や飛行機といった大型のものまで、日常生活のあらゆる場面で使われています。まさに機械の技術は現代社会に必要不可欠と言えるでしょう。機械システム工学科では、機械工学の基礎となる4力学(材料力学・流体力学・熱力学・機械力学)をしっかりと学んだ上で、熱流体・固体力学・設計生産・機械材料といった専門的な研究に取り組むことができます。
私の専門分野は高分子材料、なかでもゴムやゲルといった柔らかい材料です。最近力を入れているのは、3Dプリンターを活用したソフトロボットの研究開発です。一般的なロボットは精密な動きができる一方で、動植物のような柔軟な動きはできません。そこでゴムやゲルといった柔らかい材料を用いて、昆虫や植物のような動きを再現し、様々な環境に順応できる「しなやかな」機能を兼ね備えたロボット開発を目指しています。
真面目で、学習意欲も高い学生が多いですね。授業で学んだことが、実際の現場で使われていると実感できる機会が多くあるからでしょうか。例えば実際の工作機械に触れられる実習があるほか、2年次に実施するトピックゼミでは企業見学なども行なっています。2022年春にはDX教育研究センター(仮称)が新設されますが、この学科としても新たな装置を取り入れます。デジタル化にも対応しながら、より多角的に機械工学を学ぶことができるよう準備を進めています。
大学生活の4年間はあっという間です。学業だけでなくサークル活動、アルバイトなど、いろんなことに情熱を持ってチャレンジできる方にぜひ入学していただきたいです。また、大学には全国各地から学生が集まりますので、入学後は交友関係や人脈も広がると思います。富山県は日本海側屈指の「ものづくり県」です。企業規模の大小を問わず魅力ある企業がたくさんありますので、この場所で高い技術を学び、卒業後も活躍してもらいたいと願っています。
<富山県内>
[学部]エヌアイシー・オートテック、大谷工業、カナヤママシナリー、協和マシン、コーセル、三協立山、シーケー金属、橘開発、立山科学グループ、富山技研、トヨックス、日本空調北陸、北電情報システムサービス、丸栄運輸機工、CKサンエツ、富山市役所
[院]アイシン新和、石金精機、三協立山、立山製薬工場、富山村田製作所、ハウステック、不二越、YKK
<富山県外>
[学部]愛知機械工業、アート金属工業、アルテクス、柿本商会、キッツ、光洋機械工業、シチズンファインデバイス、澁谷工業、スズキ、住友重機械建機クレーン、大同工業、大同メタル工業、竹田設計工業、デンソーテクノ、東芝エレベータ、豊田合成、長野日本無線、日本原子力研究開発機構、ヒラテ技研、三菱電機ビルテクノサービス、ルーフコーポレーション、KOA
[院]キオクシア、千代田製作所、テプコシステムズ、日東工業、ビーネックスソリューションズ、富士高分子工業、北陽電機
ロボット技術、人工知能、脳科学などの進展により、社会の基盤となる科学技術は大きな転換期を迎えています。 知能口ボット工学科では、「賢い(インテリジェント)ロボット」をキーワードに、ロボット技術、福祉技術、インタフェース技術、超微細加工技術、知的設計技術、デバイス技術などの革新的な技術開発につながる教育と研究を行っています。
ロボットというと二足歩行する人型ロボットをイメージしがちですが、自動車や家電製品、スマートフォンなど、あらゆる工業製品にロボット技術が使われています。この学科では機械工学・電子工学・情報工学という3つの工学分野を基礎として、ロボットはもとより人と同じような情報処理能力をコンピュータに持たせるインタフェース技術や、人に代わって生産現場・医療現場で活躍させるためのセンシング技術など、日本が誇るロボットのさまざまな技術を研究することができます。
車椅子や義手・義足といった福祉機器にロボット技術を役立てるための研究開発をしています。教科書で学ぶようなロボットのメカニズムやコントロールは、人間が本来持っているものとは違うという前提で、まずは人間(動物)の機能を調べることからスタートします。ロボット工学の世界だけにとどまらず、あらゆる知識と技術を組み合わせながら人間に近い動きをロボットで再現することで、より人に優しく、人を支援できる福祉機器を作ることを目指しています。
知能ロボット工学科のいいところは、少人数教育による丁寧な指導のもと、機械工学・電子工学・情報工学という3つの工学分野の基礎を広く学べること。さらに基礎をしっかりと学んだ上で、教科書の先にある、新たな課題を教員たちと一緒に見つけ解決していけることです。整った研究設備と豊富な研究資金のもとで、学生のみなさんには失敗を恐れず、これまでの工学の枠を超えた発想で研究をしてもらいたいです。
「こんなロボットがあったらいいな」「こんなロボットを作ってみたいな」といった、夢や想いを持った学生さんに出会えることを待ち望んでいます。皆さんの夢や想いを必ず実現させるために、私たち教員は惜しみなく力を貸します。卒業生の就職先を見てもわかるように、ロボットの技術は幅広い分野で必要とされていますし、少子高齢化社会においてはますます期待が高まっていくと考えられます。ぜひ皆さんに、未来を支えるロボット技術者を目指していただきたいです。
<富山県内>
[学部]コーセル、コマツNTC、サンエツ金属、シーケー金属、立山科学グループ、中村機械、日本抵抗器製作所、ハイテックス、不二越、北陸コンピュータ・サービス、北陸電機製造、松村精型、ユーコム、リッチェル、ワイディシステム
[院]スギノマシン、立山システム研究所、富山富士通、富山村田製作所、北陸コンピュータ・サービス、三菱ケミカル、YKK
<富山県外>
[学部]ウイルテック、エスピーボーン、榎本ビーエー、エフ・シー・シー、シー・ティー・ワイ、シブヤパッケージングシステム、十六銀行、スマートテックリクリエ、タイガー魔法瓶、中部プラントサービス、東レエンジニアリング、トヨタシステムズ、富士ソフト、豊幸、三菱電機エンジニアリング、FUJI、NTTデータMSE
[院]エヌ・ティ・ティ・データ北陸、オークマ、セコム、デンソー、マキタ、三菱電機、メイテック、SMC、WDB工学
電気電子工学の基礎学力を身につけ、応用力と実践力を養い、豊かな創造性と教養を備えた人材を育成します。持続可能で豊かな社会の構築に貢献するため、電子材料、回路、光・電磁波等の電気電子工学の幅広い技術を基盤として、エネルギー、情報システムや制御など様々な分野の教育研究に取り組み、社会の変化に柔軟に対応できる高度な専門技術者および研究者を養成します。
すべてのモノがインターネットにつながるIoT時代に不可欠な、電気電子の基盤となる知識・技術を学べる学科です。電子回路、光・電磁波、システム制御、パワーエレクトロニクスなど幅広い分野の研究を行っており、これらはカメラやスマートフォン、ロボット、新幹線など、私たちの身近なところで活用されています。研究対象はどれも目に見えづらいものばかりですが、「可視化」を一つのキーワードに、学生の皆さんが学びやすいような工夫をしています。
宇宙空間における電波を調査する研究を行っています。調査のための観測機器も、学生たちの手で設計・開発しています。JAXA(宇宙航空研究開発機構)のロケットなどに搭載して打ち上げられるのですが、学生たちも開発に苦労する分、喜びは大きいと思いますね。そこから得られたデータを解析することによって、宇宙空間中の電波に関わるいろいろなことがわかってきます。また、電波受信機開発のノウハウを地上にも応用し、登山者位置検知システムの開発なども行っています。
ハードウェアとソフトウェアの両方を学べることが強みです。どちらかだけでは成立しないので、実際の現場でも、両方に精通している人材が求められています。また、実験に力を入れていることも特長です。現代はものを作る行為自体が少なくなり、シミュレーションで終わってしまうことも多くあるなかで、身をもってトライ&エラーを体験できるのがいいところだと思います。学生たちも机に向かっているよりは、手を動かすことが好きな方が多いですね。
もちろん企業でもものづくりはできますが、大学でしかできないものづくりがたくさんあります。失敗を恐れず、時間を忘れて熱中できるのは、大学ならではだと思います。「手を動かしてものを作りたい」という高校生の皆さんにぜひ入学していただき、この大変さと面白さを味わってほしいですね。先生たちも世界の最先端を走っている方ばかりなので、富山県立大学で学んだことを、これからの人生の自信につなげてほしいと思います。
・電子部品 ・電子機器 ・システム開発 ・製造業 ・情報系 などの企業
【 参考 】電子・情報工学科の電子系研究室の主な就職先
<富山県内>
[学部]キタムラ機械、高志インテック、コーセル、三晶MEC、ソフト、日本オープンシステムズ、北陸電気工業
[院]富山村田製作所、シキノハイテック、北陸電気工業、立山科学グループ、ユーコム
<富山県外>
[学部]アイシン・エィ・ダブリュ工業、シーキューブ、総合システムリサーチ、松浦機械製作所、OKIソフトウェア
[院]セイコーエプソン、東芝メモリ、パナソニックシステムネットワークス開発研究所、富士通
情報システム工学科では、情報工学の基礎を幅広く研究するとともに、高度な情報システム技術の研究を推進し、これらを通じて最先端の情報システムに関わる創造力と実践力を備え、グローバルな活躍と地域への貢献ができる人材を育成します。教養教育を土台として、情報工学の様々な分野に関する専門科目を通じ、高度な技術を学び専門性を高めます。さらにアクティブラーニングや少人数教育体制により、情報システム工学の体系的な知識を身に付けるとともに、創造性、主体性、協調性を養うことができます。
スマートフォンから企業の基幹システムに至るまで、世の中の随所に存在するコンピュータに関する学問を学べます。具体的には、その動作原理やそれによるサービスなどで情報の流れをどう設計したら、社会をどう変えられるのかについて研究します。また、人の働き方を変えるであろうAIも研究対象のひとつ。情報システム工学科は、コンピュータだけでなく、コンピュータと人、コンピュータと社会、両者の関係を考えていく学科です。
システムを構成する複数の要素に対して、効果的な相互作用などを考える新たな学問領域「システム学」を、学内外の研究者と共に作ろうとしています。具体例が自動運転プロジェクト。3,000台以上の自動運転車を群として動かすための理論を研究しています。また、タンパク質の機能発生メカニズムの解明や、戦前期の職業婦人への社会意識の抽出など、他学科の先生と共同で研究を進めています。すべての共通点は、複数の要素からなる点です。要素と要素の関係を解き明かす研究に取り組んでいます。
コンパクトさによる、学科横断的な気運・気風が非常に高い印象ですね。他学科の先生と研究ができているのも、気軽なコミュニケーションがとりやすいからでしょう。これからは看護学部と看工連携の研究会を組織していきます。看護が得意とする「人の扱い方や見方」に対して、情報のテクニックを組み合わせることで新たな可能性を生み出せるのではと思っています。
本学科の就職先には、システムエンジニア、コンピュータプログラマーなどがありますが、数学や情報理論などの体系を知ったうえでプログラムを作ることが大事だと考えています。その信念のもとに、基礎から応用まで幅広い教育をしています。学問だけでなく、教員や学生との出会いによって貴重な体験をしてほしいですね。新しい知を生み出すためにも、大いなる無駄をしていただきたい。それが、いつか何かの役に立つかもしれません。
・IT関連産業 ・ソフトウェア・システム開発企業 ・電子、電子部品メーカー など
【 参考 】電子・情報工学科の情報系研究室の主な就職先
<富山県内>
[学部]インテック、三協立山、立山化学、富山富士通、日本オープンシステムズ、北電情報システムサービス、北陸コンピュータ・サービス
[院]高志インテック、ソフト、北銀ソフトウェア
<富山県外>
[学部]今村証券、小松製作所、中電CTI、デンソー、東海旅客鉄道、リコーITソリューションズ
[院]イビデン、NTTデータ先端技術、NTTドコモ、KDDI、コナミアミューズメント、電気興業、トヨタシステムズ、西日本旅客鉄道、本田技研
環境問題の解決に必要な環境工学の専門知識と、安全で持続可能な社会づくリに必要な土木工学の専門知識をあわせて理解し、循環型社会の形成を担う提案力と実行力のあるエンジニアを育成します。土、水、大気、生物などの自然環境と人が生活する社会環境が関わることで生じる環境問題を、地域レベルから地球規模まで体系的に理解します。その環境問題の解決のために様々な角度から専門教育と研究を実践し、持続可能な社会づくリに取り組んでいます。
環境問題の解決に必要な環境工学の専門知識と、安全で持続可能な社会づくりに必要な土木工学の専門知識を併せ持ったエンジニアを目指せることが、本学科の特徴です。具体的には、自然と社会のすべてを対象に大気汚染、地球温暖化、山・川・海の保全、水質・土壌の管理・改善、生態系の保全、安全な社会インフラ、コンクリート素材、廃棄物の処理、リサイクル、災害に強いまちづくり、エネルギー問題、地域経済・産業の活性などを学ぶことができます。他の大学にはない幅広い知識を得られるため、1つの学問では対処し難い問題に対しても柔軟に対処できるようになります。また、私の研究室では、川の防災や土木工学に関する勉強や研究に取り組むことができます。
川の中に侵入する樹木が災害にどのような影響を与えるか。これが今の世界的な問題であり、私が最も力を注いでいる研究テーマでもあります。例えば雨が少ない年が数年続き、川の中に侵入した樹木が簡単に抜けなくなると、大規模な出水時に水位が上昇したり、流路が変わったりと危険な状況が起こり得るようになります。そのため、樹木が侵入するプロセスと被災に至るプロセスに着目して、現地データの分析や室内の水路実験、シミュレーションモデルの確立などを実施。防災上、樹木の伐採が必要な箇所とそうでない箇所をしっかりとデータで示すことができるよう、国土交通省と情報共有しながら取り組んでいます。今秋からは庄川、来年には常願寺川を研究する予定です。
真面目な学生が多いですね。授業中に居眠りをしている学生はいませんし、出席率もいいです。校舎内のフリースペースで遅い時間まで勉強している姿を見かけることも多いですね。校舎もきれいで快適。設備も充実していますし、勉強する環境が整っていると思います。また、小規模な大学ならではの良さといえば、先生と学生との距離が近いことでしょうか。分からないことは気軽に質問できる雰囲気があります。学生同士も仲が良さそうですね。
環境・社会基盤工学科では、多くの人たちが安全に生活できるよう、社会基盤の構築に必要な基礎知識を勉強することができます。しかも、就職先がたくさんあります。特に土木工学の専門知識を身につけた人材を求めている会社は全国的に数多くありますが、現状は人材不足なので引く手数多。将来の選択肢が幅広く、就職先の心配が要らないので、大学3年生になるとここに来てよかったと思う学生が多いみたいですよ。
<富山県内>
[学部]川田工業、塩谷建設、上智、新日本コンサルタント、日本海建興、北栄電設、北電技術コンサルタント、北陸コンサルタント、松原建設、丸新志鷹建設、YKK AP、富山県庁、富山市役所
[院]大高建設、新日本コンサルタント、富山県庁
<富山県外>
[学部]オーセンテック、ケミカルグラウト、ジビル調査設計、昭和コンクリート工業、新富産業、新日本設計、大日本コンサルタント、大日本土木、東洋設計、中日本ハイウェイ・エンジニアリング名古屋、名古屋鉄道、日本海コンサルタント、三井住友建設、名工建設、守谷商会、矢作建設工業、菱機工業、AGC若狭化学、愛知県庁、岐阜市役所、国土交通省北陸地方整備局、小松市役所、滋賀県庁、名古屋市役所
[院]エイベックス、奥村組、大日本コンサルタント、日本工営
生命現象を工学的視点から研究する生物工学(バイオテクノロジー)の役割はますます大きくなっています。生物は様々な化学物質を介して活動しています。本学科では、この化学物質を介した生命現象を解明し、化合物の機能や生命現象の機構を利活用する研究を行うため、化学と生物学を重視した教育プログラムを実施します。すなわち、有機化学、生化学、分子生物学を基盤とし、これらを酵素化学、応用微生物学、食品科学、植物工学、生物情報学まで発展させ、幅広い生物工学の知識や考え方を身に付けた人材を育成します。自然環境と調和するバイオテクノロジーによる豊かな社会をつくり、生命・食・環境にかかわる課題を解決する研究を展開します。
化学と生物を基盤としたバイオテクノロジーに関する幅広い分野を学ぶことができる学科です。かつては発酵食品の生産などのオールドバイオテクノロジーに生物を利用してきましたが、持続可能な自然環境を維持するためにより高度な生物の利用が求められるようになりました。それが、創薬や抗生物質の生産、酵素の活用などのニューバイオテクノロジーです。生物工学科では、生物を化学的な目で見て、その仕組みを知ったうえで工学的に応用し、工業的なものにスケールアップする方法を考えていきます。また、前身である生物工学研究センター開設より今年で30周年を迎えましたが、その間に応用分野の一つである医薬品開発に特化した医薬品工学科の開設など、常に成長している学科でもあります。
私たちの研究室は、機能性食品工学講座といいます。機能性食品が注目されるようになったのは約30年前。その代表例が、ポリフェノールです。赤ワインを飲むことでその機能性成分が薬のように作用し、心筋梗塞や脳梗塞を防ぐ原因の一つになっているのではと考えられていますが、そのメカニズムは解明されていません。他にも作用メカニズムが不明な機能性成分は数多く存在しています。私たちの研究対象は、玉ねぎやりんごに含まれるケルセチン。その機能性成分が体内にどういう形で入り、どこに蓄積され、どう効くのかという課題に焦点を絞って動物実験や細胞実験を行うことで、機能性食品のブラックボックス解明に挑んでいます。
生物工学科は他学科に比べ、県内出身の学生が多いです。素朴で素直な人ばかりですね。本学科は担任制で、担任が約40名の出欠や成績の状況などを把握し、できるだけケアしています。誰一人ドロップアウトしないよう、保護者の方々や大学からのサポートを得て社会に送り出すことを目指しています。その甲斐もあって、この学科の退学者率は非常に低いですね。大学の規模は大きくなってきましたが、学生一人ひとりを大切にする小規模校の伝統は今後も残していきたいと思っています。
生物工学科の研究設備は、常に最新です。恐らく近隣の国公立でトップクラスと言えるのではないでしょうか。学生の皆さんは、誇れる設備のある環境で勉強することで、チャレンジしたくなる分野を見つけられます。ですので、そう思いながら受験勉強を頑張ってほしいですね。自分で計画を立てて勉強をしてその結果を受け入れるというプロセスは、研究にも必ず役立ちます。また、企業経験者の先生が多いため、県内の製薬メーカーをはじめとする企業との共同研究が非常に多い点も特徴です。
<富山県内>
[学部]アステラス製薬、アドバンテック、片山製薬所、救急薬品工業、クラシエ製薬、廣貫堂、シーケー金属、ジャパンメディック、新新薬品工業、第一薬品工業、大和薬品工業、立山科学グループ、東亜薬品、東興薬品工業、富山小林製薬、日医工、日本オリゴ、富士製薬工業、富士フィルム富山化学、前田薬品工業、陽進堂、リードケミカル
[院]救急薬品工業、廣貫堂、シミックCMO、十全化学、ダイト、日本カーバイド工業、阪神ホールディングス、富士薬品、陽進堂
<富山県外>
[学部]一正蒲鉾、カンセツ産業、クリタ分析センター、コスモス薬品、シミックソリューションズ、中部薬品、冨木医療器、日本点眼薬研究所、ホクト、菱機工業、ワイエムシィ
[院]愛知水と緑の公社、天野エンザイム、オリザ油化、協和発酵バイオ、黒金化成、白鳥製薬、日新薬品工業、普洛薬業、上海開発研究センター、山梨罐詰、ワイエムシィ
医薬品、食品および化学関連分野で活躍できる創造力と実践力を兼ね備えた人材を育成し、健康長寿社会の実現に向けて、優れた医薬品の開発・製造に貢献します。物理、化学、生物の幅広い学問領域を基礎として、工学的視点から安全かつ優れた効能をもつ医薬品の開発・製造および先端医療技術の開発に取り組みます。近未来の超高齢社会における医療・福祉に関する諸課題を解決するため、医薬品開発・製造に係る教育研究拠点の構築を目指します。
医薬品ができるまでの「研究・開発・製造」という3つのプロセスを専門的に幅広く学べる学科です。2つの講座があり、「製薬化学工学講座」では薬のもとになる化合物の研究や、物質や医薬品材料の研究・分析などを行っています。もう1つの「バイオ医薬品工学講座」ではタンパク質から細胞、動物まで詳しく学び、人体や病気の仕組みも勉強してどうしたら病気になるのか、病気に対してどんな薬を作ればいいのかなどを幅広く学ぶことができます。
私は医学部出身で内科医でもあります。病気の仕組みを知るために、免疫の難しい病気の仕組みを解明するための基礎研究に取り組んできました。
全身性エリテマトーデスは難病の一つで、今は進行を食い止める治療しかありません。日本には約6〜10万人の患者さんがいるといわれ、その約9割を女性が占めています。恋愛、結婚、出産という女性の生活の質に大きな影響を与えるため、なんとかしたいと思っていたところ、これまでの基礎研究でその病気の原因の一つであるタンパク質の働きを抑えるような化合物を見つけることができました。その化合物を製薬企業と共同で非常に効果の高いものにしてきました。今後は患者さんへの臨床試験を進めていきたいと思っています。
一方、学生と一緒に取り組んでいる研究は、生活習慣病です。肥満や糖尿病に合併して脂肪肝から肝硬変や肝がんになるという病気です。今後、日本でも大きな問題になってくると考えていますが、この病気にも治療薬がないため、脂肪が溜まる肝炎のモデルマウスを用いて免疫がどう関係しているのかを研究しています。免疫を切り口に、病気の仕組みを解明し、新しい治療薬の開発を目指しています。
薬をはじめ、人体の仕組みなどを幅広く学ぶことができます。また、薬学部や農学部、工学部など、さまざまな研究領域の先生が集まった学科でもあります。実際の薬の効き目や患者さんの苦しみなどを理解している者として、それを学生に伝えることが私の役目だと思っています。薬の研究・開発・製造には、生身の患者さんの情報を知ることがすごく大事です。学生さんには、いろいろな情報を入手してイメージを広げたり、ボランティアで患者さんに関わったりしていってもらいたいと思っています。
医薬品工学科は、薬のことだけを学ぶわけではありません。最終的に人が飲んだり、肌に触れたりするものの研究・開発・製造に携わることができます。IT分野や化学系の企業に就職した卒業生もいますし、食品や化粧品など幅広い分野にも進むこともできます。製薬会社への就職を望む学生が多いのですが、自分の力を生かせる業界はどこだろうと、幅広く視野を広げることが大事です。
・製薬関連会社 ・化学系企業 ・プラスチック容器関連メーカー
・食料品メーカー ・化粧品メーカーなど
4年間で看護学をしっかり学ぶために、カリキュラムを看護師育成に特化しました。質の高い看護の提供に重要となるのが看護基礎教育です。
看護学部ではこの看護基礎教育を重視し、専門的知識・技術の教育にとどまらず、課題対応能力や研究能力を十分に培い、高度化する医療や超高齢社会に伴う看護の役割拡大に対応できる教育を目指しています。
ユマニチュードを取り入れているところや、工学部と連携して研究を進めていることが、本学看護学科の強みです。ユマニチュードについては、その学びを実際の看護援助に取り入れ、実習で経験を重ねていくことで、人の尊厳を大切にする看護を学生のうちから深めていけるところが特徴だと思っています。一方、工学部との連携については、教員同士の研究も積極的に進めていまして、今までにない視点で看護の技術の根拠などを明確にしていく研究に力が注がれています。
主に院内感染など感染予防の教育に関する研究を行っています。感染管理や感染対策は、急性期の病棟や手術室、老健施設など、どこにおいても非常に重要です。現在は、まだ社会に出る前の学生に感染予防の知識や技術をもっと身につけてもらえるような教育プログラムについて研究中です。また、基礎看護学では、手指消毒の正しい方法や注射など器材を汚染させずに診療の援助を行う方法を1・2年生の内に学びます。研究を通して、初学者のうちから正しい知識を持ち、確かな技術を身につけることができる教育へつなげていきたいと思っています。
看護学科は、自主的に学ぶチャンスがたくさんある場所です。それぞれの講座の特色を活かした少人数制のキャリア科目でのグループワークや県立中央病院をはじめ富山県内のさまざまな実習施設での実践などを通して、課題を発見したり、それを解決する能力が身についていくと考えています。学生の雰囲気は、生き生きとしていますよ。いろいろなタイプの人たちがお互いに刺激し合いながら、日々を謳歌している姿をよく目にします。また、看護に必要な他者への敬意や尊重する心を大切にしている学生も多いですね。
看護学部では、看護を学ぶ過程をとおして、多くの人と出会い、自分の人生を豊かにするための学びができます。来年度からは大学院が開設されるので、もっと勉強したいと思えば大学院に進むという選択肢があります。また、保健師や助産師の資格を取るための専攻科もできるので、キャリアアップを図ることもできます。「もっともっと学びたい」という気持ちを叶えられる環境が整いつつあるので、大勢の方にお越しいただけると嬉しいです。
・病院 ・診療所 ・訪問介護ステーション ・保育所 ・保健福祉施設 ・企業(産業看護師)