富山県立大学は動いている

工学部

 機械工学に関する確かな基礎学力、幅広い視野、豊かなコミュニケーション能力をもち、持続可能な社会の構築に貢献する機械技術者の育成を目指しています。機械システムの企画から設計、生産、廃棄までを一貫して見渡した「環境調和型ものづくり」技術開発を実験や数値シミュレーションを用いて推進し、課題探求・解決能力の向上を図ると共に、豊かな人間性を育むことに注力しています。

微粒子投射(ウエットブラスト)
による金属の表面強度実験

機械システム工学科 宮島研究室

デジタル粘土を用いた
製品の初期形状生成

機械システム工学科 小林研究室

液冷システムの最適化を目指した
熱流体シミュレーション実験

機械システム工学科 中川研究室

機械システム工学科 鈴木 真由美 教授

機械システム工学科は、どんなことを研究できる学科ですか。

「環境調和型ものづくり」をキーワードに、機械工学の基礎となる4力学 (「材料力学」、「流体力学」、「熱力学」、「機械力学」)をしっかりと修得できる学科です。研究分野は熱流体・生産設計・固体力学・機械材料と幅広く、授業や研究を通して、機械が関わる様々な分野で活躍できる工学技術者となることが出来ます。

鈴木先生の研究室ではどんなことを研究していますか。

力がかかった状況で使用するアルミニウムやマグネシウムなど軽金属の性能向上等に関する研究を行っています。環境負荷を低減するリサイクル性に優れた構造材料の実現を目的に、なるべくシンプルな構成で金属が本来持っている性能を引き出せるような工夫をしています。今は目的に応じて金属を使い分けていますが、ひとつの金属で強く硬い性質、あるいは柔らかく伸びやすい性質など、異なる性能を自在に引き出すことが出来れば、リサイクル性が高まります。金属組織をコントロールして一つの金属でいろいろな部材を作ることが究極の目標です。

富山県立大学の学科のいいところや
学生の雰囲気はいかがでしょうか。

少人数教育ならではのきめ細やかな指導を受けられ、研究活動に関しても教員と近い距離で一緒に取り組めます。それぞれの専門分野に特化した新しい教員も多いため、今まで以上に豊富な知識を得られると思います。また、学生同士も密な交流を行えるため、横だけでなく縦のつながりなど豊かな人間関係を築けます。来年、看護学部が新設されることで、可能性もいっぱい。もし連携できることがあれば、研究の幅を広げられるきっかけになればいいなと思います。

富山県立大学を目指している高校生の皆さんへ
応援メッセージをください。

本学科では、公共機関においては県内トップクラスの性能を持つ顕微鏡を備えるほか、富山県産業技術研究開発センターの最新設備を利用することも可能です。この優れた環境で自分の可能性を広げてください。“機械システム工学科=男子学生”というイメージが強いかもしれませんが、男女の区別はまったくありません。意欲さえあれば何の問題もないので、積極的に学生生活を楽しんでください。

主な就職先(過去2年分)

<富山県内>
[学部]アイシン軽金属、キタムラ機械、協和マシン、ケンチ、コマツNTC、サンエツ金属、シーケー金属、志貴野メッキ、スギノマシン、立山科学グループ、富山村田製作所、トヨックス、ファインネクス、山田工業、CKサンエツ
[院]三協立山、スギノマシン、日本海ガス、ハウステック 富山工場、YKK、YKK AP
<富山県外>
[学部]アイシン・エィ・ダブリュ、愛知機械工業、アイリスオーヤマ、オークマ、川重岐阜エンジニアリング、シロキ工業、高松機械工業、デンソーテクノ、東振精機、三菱電機ビルテクノサービス、矢崎総業、リコーエレメックス、KYB-YS
[院]今仙電機製作所、澁谷工業、シロキ工業、スズキ、大同メタル工業、デンソー、豊田合成、不二越、三菱自動車工業



 ロボット技術、人工知能、脳科学などの進展により、社会の基盤となる科学技術は大きな転換期を迎えています。 知能口ボット工学科では、「賢い(インテリジェント)ロボット」をキーワードに、ロボット技術、福祉技術、インタフェース技術、超微細加工技術、知的設計技術、デバイス技術などの革新的な技術開発につながる教育と研究を行っています。

デジタルミラーボックスによる
新しい手指リハビリ手法の開発

知能ロボット工学科 小柳研究室

下肢筋力トレーニング装置
ERIK(エリック)

知能ロボット工学科 小柳研究室

コミュニケーションロボットの
プログラミング

知能ロボット工学科 増田研究室

知能デザイン工学実験1
~移動ロボットの制御~

知能ロボット工学科 増田研究室

知能ロボット工学科 澤井 圭 講師

知能ロボット工学科は、どんなことを研究できる学科ですか。

プログラム・回路図を読める機械系の技術者、機械加工・プログラミングのできる電子系の技術者、回路設計や機械設計のできる情報技術者の育成を目指しています。特に今の技術体系は、その裾野が非常に広がっており、従来通りのカリキュラムでは解決できないような課題が噴出しています。そうした課題に対応できる技術者を目指し、機械工学・電子工学・情報工学といった幅広い分野をまんべんなく学びながら分野を絞っていけるのも、本学科の特徴です。

澤井先生の研究室ではどんなことを研究していますか。

ロボットのための通信技術を研究しています。例えば、被災地では、ロボットを動かして人が入れない建物や場所の情報を取得させます。ただ、建物がコンクリートや鉄だった場合、屋内外でのやりとりができません。そこで、中と外をつなぐ方法を探すため、学生と一緒にロボットの遠隔操作を研究しています。また、複数のロボットがそれぞれに動きながらもコミュニケーションをとって効率良く動けるよう、ロボット同士の通信にも力を入れています。

富山県立大学の学科のいいところや
学生の雰囲気はいかがでしょうか。

本学科では、幅広い分野の勉強や研究ができます。先生の専門分野も多岐に渡るため、興味のある分野について個人的に話を聞くこともできます。また、これまでに幾つかの大学を経験してきましたが、先生も事務局の方も優しくてフランクな方が多いですね。いろいろなことを相談しやすい環境だと思います。来年、看護学部が新設されますが、工学部とともに協力し合うことで、新しい技術の開発や知見を見出しやすくなるのではと思っています。

富山県立大学を目指している高校生の皆さんへ
応援メッセージをください。

今、どんどん変化している富山県立大学に入ることは、チャレンジできる機会が増えるだけでなく、興味・関心のあることが受動的に飛び込んでくる環境に身を置くことになるので、非常に良い経験ができるのではないかなと思います。また、今後、ロボット系技術者の需要は高まっていくと思いますので、「ロボットを社会に導入・浸透させたい」という気持ちを持った学生には、本学科はうってつけです。

主な就職先(過去2年分)

<富山県内>
[学部]アイシン軽金属、インテック、キタムラ機械、コーセル、シーケー金属、シキノハイテック、スギノマシン、ソフト、立山科学グループ、富山富士通、日本抵抗器製作所、パナソニック・タワージャズセミコンダクター、ファインネクス、北陸コンピュータ・サービス、丸栄運輸機工、ユーコム
[院]コマツNTC、三光合成、立山科学グループ、富山富士通、北銀ソフトウェア、YKK
<富山県外>
[学部]アイシン・エィ・ダブリュ、オムロン、京セラ、豊田合成、富士ソフト、三菱電機エンジニアリング、リコーITソリューションズ、NTTデータMSE
[院]愛三工業、アイシン高丘、アドヴィックス、アドソル日進、セイコーエプソン、デンソーテクノ、日本音響エンジニアリング、日本ガイシ、日立ソリューションズ、富士ソフト、三菱ケミカル、PFU



 電気電子工学の基礎学力を身につけ、応用力と実践力を養い、豊かな創造性と教養を備えた人材を育成します。持続可能で豊かな社会の構築に貢献するため、電子材料、回路、光・電磁波等の電気電子工学の幅広い技術を基盤として、エネルギー、情報システムや制御など様々な分野の教育研究に取り組み、社会の変化に柔軟に対応できる高度な専門技術者および研究者を養成します。

𠮷河 武文 教授 (現:電子・情報工学科)

2020年に新設される電気電子工学科の特色を教えてください。

電子機器は、現代の生活に必要不可欠であり、クルマも見方を変えれば電子機器と言えなくもありません。つまり、日本の工業的なものづくりの主役のひとつです。電子機器の範囲は、材料、電子部品、電子システム制御と幅白く、その領域ごとに会社が存在していますが、電子材料から電子機器の活用まで幅広く対応していることが本学科の特徴。電気系のどの会社に入っても、必ず役立つ知識を得られます。また、興味深い領域の研究室に入り、希望の就職先に適した研究を行えば、就職活動でも非常に有利です。

𠮷河教授は、どんな研究をされていますか。

私の専門は、集積回路(IC)です。小さくて薄い黒色の電子部品と言えば分かり易いでしょうか。その黒色の部品のなかに集積回路を構成する半導体チップが入っています。その半導体チップを実際に設計試作し、実機評価まで当研究室で行います。そこまでやる研究室は、地方の大学では極めて少ないので、当研究室の特徴になっています。現在は、センサデバイス専門の先生と共同で研究室を立ち上げて、IoTで使えるような小型のセンサシステムの研究を行っています。具体的には、においのセンシングに挑戦します。においセンシングはスマートフォンに未搭載なことでも分かるように充分に実用化されていない領域です。においで病気の予兆などが分かれば、早期治療に役立ちます。

富山県立大学の学部のいいところや
学生の雰囲気はいかがでしょうか。

私は関西出身なのですが、関西に比べると真面目でおとなしい学生が多いですね。また、圧倒的にいいなと思ったのは、研究室における一教員あたりの学生数の少なさ。研究室における各学年の人数は、3~5人で他大学と比べると非常に少ないため、一人ひとりに目が届き易く、研究室でディスカッションもたくさんでき、研究の方向性についてもいろいろ指導できます。豊富な経験や知識を持った教員からインスパイアされることもあるでしょう。研究室での活動を通して、自分自身を成長させることができます。

富山県立大学を目指している高校生の皆さんへ
応援メッセージをください。

電気電子に興味のある学生にとっては、勉強して研究することで自分の可能性を発見できる、可能性を伸ばせる大学だと思います。規模は小さいですが、アットホームな雰囲気で研究していますので、人生で最も成長できる時期を一緒に過ごせたらいいなと思っています。決して後悔はさせません。ちなみに、富山は優しく穏やかな人が多く、住みやすい県ですよ。

想定される就職先

・電子部品 ・電子機器 ・システム開発 ・製造業 ・情報系 などの企業
【 参考 】電子・情報工学科の電子系研究室の主な就職先
<富山県内>

[学部]インテック、キタムラ機械、コーセル、シキノハイテック、富山富士通、日本オープンシステムズ、北陸電気工業
[院]インテック、コーセル、パナソニックセミコンダクター、北陸電気工業
<富山県外>
[学部]アイシン・エィ・ダブリュ工業、石川サンケン、NTTフィールドテクノ、KOKUSAI ELECTRIC、メイエレック
[院]アイシン・エィ・ダブリュ、セイコーエプソン、ソニーGMO、東芝メモリ、トヨタコミュニケーションシステム、豊田合成、日立製作所、富士機械製造、三菱電機ビルテクノサービス



 情報システム工学科では、情報工学の基礎を幅広く研究するとともに、高度な情報システム技術の研究を推進し、これらを通じて最先端の情報システムに関わる創造力と実践力を備え、グローバルな活躍と地域への貢献ができる人材を育成します。教養教育を土台として、情報工学の様々な分野に関する専門科目を通じ、高度な技術を学び専門性を高めます。さらにアクティブラーニングや少人数教育体制により、情報システム工学の体系的な知識を身に付けるとともに、創造性、主体性、協調性を養うことができます。

榊原 一紀 准教授 (現:電子・情報工学科)

2020年に新設される情報システム工学科の特色を教えてください。

スマートフォンから企業の基幹システムに至るまで、世の中の随所に存在するコンピュータに関する学問を学べます。具体的には、その動作原理やそれによるサービスなどで情報の流れをどう設計したら、社会をどう変えられるのかについて研究します。また、人の働き方を変えるであろうAIも研究対象のひとつ。情報システム工学科は、コンピュータだけでなく、コンピュータと人、コンピュータと社会、両者の関係を考えていく学科です。

榊原准教授は、どんな研究をされていますか。

システムを構成する複数の要素に対して、効果的な相互作用などを考える新たな学問領域「システム学」を、学内外の研究者と共に作ろうとしています。具体例が自動運転プロジェクト。3,000台以上の自動運転車を群として動かすための理論を研究しています。また、タンパク質の機能発生メカニズムの解明や、戦前期の職業婦人への社会意識の抽出など、他学科の先生と共同で研究を進めています。すべての共通点は、複数の要素からなる点です。要素と要素の関係を解き明かす研究に取り組んでいます。

富山県立大学の学部のいいところや
学生の雰囲気はいかがでしょうか。

コンパクトさによる、学科横断的な気運・気風が非常に高い印象ですね。他学科の先生と研究ができているのも、気軽なコミュニケーションがとりやすいからでしょう。これからは看護学部と看工連携の研究会を組織していきます。看護が得意とする「人の扱い方や見方」に対して、情報のテクニックを組み合わせることで新たな可能性を生み出せるのではと思っています。

富山県立大学を目指している高校生の皆さんへ
応援メッセージをください。

本学科の就職先には、システムエンジニア、コンピュータプログラマーなどがありますが、数学や情報理論などの体系を知ったうえでプログラムを作ることが大事だと考えています。その信念のもとに、基礎から応用まで幅広い教育をしています。学問だけでなく、教員や学生との出会いによって貴重な体験をしてほしいですね。新しい知を生み出すためにも、大いなる無駄をしていただきたい。それが、いつか何かの役に立つかもしれません。

想定される就職先

・IT関連産業 ・ソフトウェア・システム開発企業 ・電子、電子部品メーカー など
【 参考 】電子・情報工学科の情報系研究室の主な就職先
<富山県内>

[学部]日本ソフテック、コーセル、北銀ソフトウェア、インテック、北電情報システムサービス、コマツNTC、リッチェル
[院]YKK、富山富士通、北電情報システムサービス、インテック、 北陸コンピュータサービス、北陸電力
<富山県外>
[学部]リコーITソリューションズ、アルファシステムズ、SKY、アルプス技研
[院]KDDI、ソフトバンク、富士通、東芝、NESソリューションイノベータ、 本田技研工業、ドコモテクノロジ、セガゲームス



 環境問題の解決に必要な環境工学の専門知識と、安全で持続可能な社会づくリに必要な土木工学の専門知識をあわせて理解し、循環型社会の形成を担う提案力と実行力のあるエンジニアを育成します。土、水、大気、生物などの自然環境と人が生活する社会環境が関わることで生じる環境問題を、地域レベルから地球規模まで体系的に理解します。その環境問題の解決のために様々な角度から専門教育と研究を実践し、持続可能な社会づくリに取り組んでいます。

鳥骨炭で
水のフッ素を除去する実験

環境・社会基盤工学科 川上研究室

水災害を事前に想定する

環境・社会基盤工学科 呉研究室

湖の生態系と水質の調査

環境・社会基盤工学科 坂本研究室

電柱のひび割れ発生を分析する

環境・社会基盤工学科 伊藤研究室

センサを用いたコンクリートの
内部ひずみ測定

環境・社会基盤工学科 伊藤研究室

アルカリ骨材反応(ASR)に
よるコンクリート劣化を調べる

環境・社会基盤工学科 伊藤研究室

大気中の
ホルムアルデヒド濃度を測る

環境・社会基盤工学科 渡辺研究室

環境・社会基盤工学科 脇坂 暢 教授

環境・社会基盤工学科は、どんなことを研究できる学科ですか。

みんなが安心して暮らせる社会を目指して、自然と社会のすべてを対象に、大気汚染、地球温暖化、山・川・海の保全、水質・土壌の管理・改善、生態系の保全、安全な社会インフラ、コンクリート素材、廃棄物の処理、リサイクル、災害に強いまちづくり、エネルギー問題、地域経済・産業の活性、人と人とのつながりなどを、3年生までに講義・実習・実験を通して学ぶことができます。それ以降は、数多くのテーマの中から特に興味・関心のある分野を研究することができます。

脇坂先生の研究室ではどんなことを研究していますか。

燃料電池は、水の電気分解によって水素と酸素を発生させ、それらを反応させて電気を作ることができるため、二酸化炭素を排出しない水素社会の実現に不可欠なものとして注目を集めています。そこで、私の研究室では、燃料電池や水素に関係する研究として、水から水素を、水素から電気を作る部分の触媒の開発を行っています。また、水素は長期間保存しにくいことから、電気の力で別の化学物質に変えることで水素を貯めるという研究も行っています。

富山県立大学の学科のいいところや
学生の雰囲気はいかがでしょうか。

小さくてアットホームな富山県立大学の特徴は、少人数教育です。教員の数が多いため、手厚い指導を受けられるのが魅力です。学生のレポートを真面目に見て何回も再提出させますが、それは毎回しっかり見ている証。丁寧な指導によって、着実に力をつけていけます。その力は、いずれ社会の役に立つことでしょう。今後、看護学部が新設されますが、小さくてフットワークのいいこの大学だからこそ、何か面白いことができるかもしれません。

富山県立大学を目指している高校生の皆さんへ
応援メッセージをください。

本学科では、広く深く学ぶことで、すべての分野が環境問題に繋がっていることを知ることができます。視野や視点が広がり、自分の世界も広がるかもしれません。興味のある学生は、高校でしっかり勉強してきてください。不得意科目を作らずに、バランスよく勉強することが大切です。そして大学では、富山の豊かな自然を感じながら勉強してください。

主な就職先(過去2年分)

<富山県内>
[学部]石友ホーム、川田工業、佐藤鉄工、塩谷建設、上智、ダイヤモンドエンジニアリング、日本海ガス、北電技術コンサルタント、北陸コンサルタント、松本建設、富山県庁、富山市役所、高岡市役所
[院]三光合成、中越興業、野手組、富山県庁
<富山県外>
[学部]柿本商会、クボタ工建、小松ウオール工業、三機工業、竹中土木、中央設計技術研究所、鉄道建設・運輸施設整備支援機構、東京コンサルタンツ、トーエネック、西日本旅客鉄道、日本海コンサルタント、不二総合コンサルタント、フジタ、前田建設工業、国土交通省北陸地方整備局、石川県庁、名古屋市役所、金沢市役所、横須賀市役所、飛騨市役所
[院]中日本ハイウェイエンジニアリング名古屋、日本工営、ハイシンクジャパン、日立ソリューションズ・クリエイト、フジタ、北陽建設



 生命現象を工学的視点から研究する生物工学(バイオテクノロジー)の役割はますます大きくなっています。生物は様々な化学物質を介して活動しています。本学科では、この化学物質を介した生命現象を解明し、化合物の機能や生命現象の機構を利活用する研究を行うため、化学と生物学を重視した教育プログラムを実施します。すなわち、有機化学、生化学、分子生物学を基盤とし、これらを酵素化学、応用微生物学、食品科学、植物工学、生物情報学まで発展させ、幅広い生物工学の知識や考え方を身に付けた人材を育成します。自然環境と調和するバイオテクノロジーによる豊かな社会をつくり、生命・食・環境にかかわる課題を解決する研究を展開します。

タンパク質の構造を決定する実験

生物工学科 浅野研究室

イソメラーゼを抽出する実験

生物工学科 伊藤研究室

遺伝子改変動物を用いた
ビタミンD作用の解明

生物工学科 生城研究室

生物工学科 浅野 泰久 教授

生物工学科は、どんなことを研究できる学科ですか。

生物の機能を開発・解析して、その機能を広く産業(ものづくり)に利用する「バイオテクノロジー」を学べます。本学科では、まだまだ不思議だらけの自然にアタックし、自らが発見した未知の化合物、酵素反応、現象などを次々と明らかにできるところに、その強みと面白さがあります。発見した化合物は薬になったり、食品成分になったり、周辺のしくみを解明して基礎的な生命化学の課題が生まれたりと、広範囲に渡ります。主な就職先は医薬品産業、化学産業、食品産業の順であることからも分かるように、幅広い分野の知識を得られることも大きな魅力です。

浅野先生の研究室ではどんなことを研究していますか。

朝食べたご飯が消化するのは、酵素というタンパク質のおかげです。私の研究室では、その酵素をものづくりに利用する方法を考えていきます。実際に、赤ちゃんの血液中のアミノ酸量を測る検査薬は、厚生労働省の認可を得て20年以上使われました。他にも、味の素と共同研究によって、イノシン酸という旨味成分をつくる酵素を開発したり、世界中で70万トン以上生産されているアクリルアミドの合成に使われるニトリルヒドラターゼという酵素などが実用化されています。これからも産業界と密接にコンタクトして、実用化に挑んでいきたいですね。

富山県立大学の学科のいいところや
学生の雰囲気はいかがでしょうか。

生物工学科は、3年後期から研究室配属になるため、教員と近い距離で学べます。研究室には常に数名の外国人学生を入れていますが、彼らは命がけで富山に学びに来ており、学問に対する熱意や、その実力は高いと言えます。本学の学生も非常に優秀であり、彼らから色々なことを学びながら一緒に真摯に研究に取り組んでいます。今後、看護学部が新設されますが、看護師の国家試験のレベルは高いため、看護学部の学生の姿からも刺激を受けてほしいと思っています。

富山県立大学を目指している高校生の皆さんへ
応援メッセージをください。

素晴らしい設備を備えた環境で、外国人とともに存分に研究に挑戦し、一緒に学べます。また、大学院では、できるだけ外国に連れて行くようにしています。その理由は、若い頃に外国に行くと、自分の活躍の場が海外にも広がっていると自然に考えられるようになるからです。大学では留学制度等もあるので、そちらも利用してください。何事も攻めの姿勢で取り組めば、自分が人生の主人公になれます。

主な就職先(過去2年分)

<富山県内>
[学部]救急薬品工業、協和ファーマケミカル、黒田化学、新新薬品工業、タケダ、東亜薬品、日医工、日東メディック、パナケイア製薬、阪神化成工業、北星ゴム工業、リードケミカル
[院]アイザック、協和ファーマケミカル、金剛化学、大和薬品工業、立山化成、テイカ製薬、富山技研、日医工
<富山県外>
[学部]アスパーク、アピ、天野エンザイム、伊藤ハムデイリー、シミックCMO、辰巳化学、中部プラントサービス、常盤植物化学研究所、日本コルマー、ひかり味噌、フクビ化学工業、富士薬品、フタバ産業、明治薬品
[院]イワキ、クミアイ化学工業、名古屋製酪、山崎製パン、ワイエムシイ、SMCラボラトリーズ



 医薬品、食品および化学関連分野で活躍できる創造力と実践力を兼ね備えた人材を育成し、健康長寿社会の実現に向けて、優れた医薬品の開発・製造に貢献します。物理、化学、生物の幅広い学問領域を基礎として、工学的視点から安全かつ優れた効能をもつ医薬品の開発・製造および先端医療技術の開発に取り組みます。近未来の超高齢社会における医療・福祉に関する諸課題を解決するため、医薬品開発・製造に係る教育研究拠点の構築を目指します。

血液中の薬の濃度や
代謝物を調べる

医薬品工学科 バイオ医薬品工学講座

マイクロ流路デバイスで
点眼剤を作る

医薬品工学科 村上研究室

医薬品工学科 磯貝 泰弘 教授

医薬品工学科は、どんなことを研究できる学科ですか。

有機化学の知識を活かして薬を作る「製薬化学講座」と、バイオの知識を使って薬を作る「バイオ医薬講座」の2講座があり、原料探しから薬の製造、品質管理、パッケージまで薬にまつわるすべてを学べます。製薬化学講座で学ぶ低分子化合物は、薬産業を支えてきたものであり、現在の市販薬のほとんどに活かされています。一方、バイオ医薬は、低分子化合物では対応しきれない病のために急激に進んでいる分野です。その両方を学びながら最終的に好きな方向を選べるのが、本学科の魅力です。

磯貝先生の研究室ではどんなことを研究していますか。

現在、ガンやリュウマチの特効薬として期待されているバイオ医薬品は、原料となるタンパク質が不安定で取り扱いが難しく、製造や品質管理に莫大な時間と費用が費やされているため、大変高価な薬になっています。そこで、私の研究室では、低コストで安定なバイオ医薬品の実現を目指して研究を行っています。例えば、天然のヒト型抗体の代わりにより安定な人工タンパク質や低分子抗体を利用した薬剤の開発です。また、非常に高品質なクジラタンパク質の分子進化について研究することにより、既存のバイオ医薬品の改良に必要な知識を集めています。

富山県立大学の学科のいいところや
学生の雰囲気はいかがでしょうか。

医薬品工学科には、私がかつて勤めていた理化学研究所とほぼ同等の設備が整っており、国内の大学における学生一人あたりの設備としてはトップクラスといえるでしょう。非常に恵まれた環境だと思います。また、いろいろな分野に特化にした教員たちはオープンマインドな方が多く、学生の意思を尊重する教育が行われています。教員と学生だけでなく、学長、事務局などすべてのつながりが密なため、一人ひとりと深く交流できるところも、この大学の魅力だと思います。

富山県立大学を目指している高校生の皆さんへ
応援メッセージをください。

ITと並び科学技術の最先端分野であるバイオは、これからますます重要になっていく技術であり、将来的に非常に有望です。薬だけでなく、食品や化粧品など、幅広い分野に知識や技術を活かせるため、多くの若者に目指してもらいたいですね。薬に関心のある人はもちろんのこと、生き物に関心のある人も、ぜひ医薬品工学科に来てください。

想定される就職先

・製薬関連会社 ・化学系企業 ・プラスチック容器関連メーカー
・食料品メーカー ・化粧品メーカーなど



看護学部

 4年間で看護学をしっかり学ぶために、カリキュラムを看護師育成に特化しました。質の高い看護の提供に重要となるのが看護基礎教育です。
 看護学部ではこの看護基礎教育を重視し、専門的知識・技術の教育にとどまらず、課題対応能力や研究能力を十分に培い、高度化する医療や超高齢社会に伴う看護の役割拡大に対応できる教育を目指しています。

看護学科 松井 弘美 教授

看護学部・看護学科の特色を教えてください。

1名の教員が約4名の学生を受け持つ少人数教育を行っています。看護の対象である人間や健康への思考を深めるとともに、ディスカッションやプレゼンテーションを通して、看護師に必要なコミュニケーション能力を養っていきます。
看護とは何かについて問い続け、キャリア形成の基盤となる能力を養っていくため、4年後の自分を主体的に考えていけることが大きな特色といえるでしょう。また、知覚・感情・言語によるコミュニケーションに基づいたケア技法「ユマニチュード」を4年間を通じて学びます。

松井教授は、どんな研究をされていますか。

工学部との連携は看護学部の大きな特徴です。母性看護学講座では、臨床で根拠のある看護ケアができるように、工学部の教員と連携して乳児の抱き方に対して生理学的データを取り、ケアのエビデンスを持てるように取り組んでいます。
また、母子および女性たちの健康を守るための予防教育、父親を主体とした産前教育など対象に必要なプログラムの開発、対象をケアする看護職の質を上げるための教育プログラムの開発に関する研究行っています。

富山県立大学の学部のいいところや
学生の雰囲気はいかがでしょうか。

看護学部の学生たちは何事にも熱心に取り組んでいて、「精一杯学ぼう」という強い意思と姿勢が伝わってきます。6月に富山キャンパスで行われたオープンキャンパスでは、学生たちが高校生に気軽に声をかけていて、とても明るい雰囲気でした。何事にも前向きに取り組む姿は素晴らしいと思います。
そんな学生たちの思考にフォーカスできるのは、少人数教育ならではの強みであると思います。一人ひとりの思考に沿って、学習を発展させることができます。

富山県立大学を目指している高校生の皆さんへ
応援メッセージをください。

本学は、看護学・工学連携科目や看護ケアとユマニチュード、多職種連携論など特徴的な科目があり、教育においてはアクティブラーニングなど主体的な学習を行っています。
実習に関しては、基礎看護学・成人看護学・老年看護学・小児看護学・母性看護学・精神看護学・在宅看護学・地域看護学の8領域において、県内の公的病院、訪問看護ステーション、保健医療福祉施設など多様な実習の場で実践力を養います。4年間を通して看護職に必要な知識、技術、人間性を身につけることができます。
また、学生生活においては少人数教育であることより、教員との距離が近く、困ったことなどいつでも相談できる環境にあります。皆さんの入学をお待ちしております。

想定される就職先

・病院 ・診療所 ・訪問介護ステーション ・保育所 ・保健福祉施設 ・企業(産業看護師)