富山県立大学「くすりのシリコンバレーTOYAMA」創造コンソーシアム

研究開発事業

DXプロジェクト



【DXによる競争力の高い医薬品創製拠点を目指す取組】

2022年度の新規開設のDX教育研究センターを活用した医薬品生産の技術革新の取り組み


競争力の高い革新的生産体制の実現へ

県内製薬企業の強みである医薬品製造能力の更なる強化と品質確保の向上を図り、生産力の競争力強化を図る


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【テーマ1】

医薬品合成の為の化学反応のデジタルトランスフォーメーション



概要       
   ①   既に確立したフロー合成系のモデルから、概ね絞り込んである最適条件をベースにして、多様な生成物の中から最も生成しやすい標的分子のみを得る条件を探索する。  
   ②   ①のフロー合成系モデルにマイクロ化学反応センサを取り付けた流路の開発と、化学反応のリアルタイム追跡を実現する。  
   ③   化学反応から最終生成物を予測するためのシミュレーションモデルの構築と、任意の化学反応を引き起こすための反応条件の制御・フィードバック手法を構築する。特に、AI を用いた機械学習技術について研究を進めるとともに、②で計測した化学反応に関する情報をモデルに取り入れ、また製薬工場規模で運用可能な大型のフロー反応槽に対する制御・フィードバックの実現を目指す。  
         
  ①、②、③を実現するために下記の3研究テーマを学科横断で研究者がお互いに協力して研究開発を実施する  





【マイクロフロー反応系を用いた製薬プロセスの開発と有用物質生産】



工学部生物工学科生物有機化学講座 教授
占部 大介 氏


  既に確立しているフロー合成系からのデータ収集と、流路の作成、マイクロ化学反応センサの最適化協力とそのデータ収集を目指す。 

≪研究参画者≫ 工学部生物工学科生物有機化学講座 岸本 崇生 准教授
 







【任意位置の化学成分をPASで計測する、インラインで使えるマイクロ化学反応センサの実現】



工学部知能ロボット工学科 講師
野田 堅太郎 氏


  医薬品を合成するための反応槽内の、どこで、いつ、どのような化学反応が生じているかを計測するため、対象領域の化学物質の組成をリアルタイムかつ非接触に計測することが可能なマイクロ化学反応センサの実現を目指す。 

≪研究参画者≫ 工学部知能ロボット工学科 塚越 拓哉 講師
 







【AIを用いた化学反応の可視化とシミュレーションモデルの構築と反応予測】



DX教育研究センター所長、工学部情報システム工学科 教授
唐山 英明 氏



  反応槽内の化学反応の進み方を元に、どの程度の量・精度で生成物を得ることができるかのシミュレーションモデルを作成し、望み通りの反応を得るためには、どのように反応条件(流速や圧力、温度など)を変更すればよいか、を決定するフィードバックシステムを実現する必要がある。 デジタル空間上に作成したシミュレーションモデル(デジタルツイン)と実際の反応槽内の化学反応を可視化した情報を元に化学反応を狙い通りに制御するという、化学反応のデジタルトランスフォーメーションを実現することで、最小の時間・材料・エネルギーで任意の化学反応を引き起こし、高効率に狙った医薬品を合成することを可能とする

≪研究参画者≫ 工学部情報システム工学科 榊原 一紀 教授、田川 和義 教授、崔 高超 助教
 







【テーマ2】

医薬品製造現場のデジタルトランスフォーメーション


【医薬品関連製造現場のDXによる生産・製造・労働生産性の向上】



工学部機械システム工学科 設計生産工学講座 准教授
寺島 修 氏


  富山くすりコンソが実施した県内医薬品関連製造企業へのヒアリングの結果、富山の医薬品生産現場の労働生産性向上のために、”設備予知保全””生産効率アップ”と2つの課題が抽出された。県内製薬企業2社協力の下、それぞれの製造工程における課題解決を実施する。

≪研究参画者≫ 県内2社、富山県立大学 地域連携センター・産学官連携コーディネーター 加藤 賢一
 





継続プロジェクト


【免疫代謝の調節による生活習慣病の予防研究】



工学部医薬品工学科 バイオ医薬品工学講座 教授
長井 良憲 氏


  本研究では、生活習慣病における慢性炎症の活性化を阻害する天然薬物を活用し、それをシーズとしたリード最適化研究と機能性食品素材の開発を推進します。   

「くすりのシリコンバレーTOYAMA」創造コンソーシアム 研究開発紹介ページ



【植物由来の有機分子触媒の開発と医薬品合成】



工学部生物工学科 酵素化学工学講座 准教授
日比 慎 氏


  本研究テーマでは、低分子医薬品製造プロセスに利用可能な新たな触媒として、植物の多糖成分が不斉合成反応の触媒活性を持つことを新たに見出し研究を進めています。多糖類を主要成分とする有機分子触媒は、これまで知られておらず、医薬品製造プロセスへの応用に成功すれば、極めてコストパフォーマンスが高く画期的な触媒となります。   


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