機械システム工学科について
基礎学力とコミュニケーション能力を有する機械技術者を、体系的な教育課程に沿って育成します。日本・富山の強みである、省エネ技術、高信頼性技術、環境調和技術、素材技術をさらに伸ばす研究ができます。卒業の暁には、環境調和型ものづくりに貢献できる技術者として期待が集まります。
エネルギーの輸送・変換・利用技術と密接に結びつく、熱の移動や様々な流動現象、熱物性などに関する研究を行っています。
電子機器、自動車、産業機械、生体などの信頼性や品質の向上に必要な固体材料の強度や変形について、実験と数値シミュレーションの両面から検討を行い、ものづくりに必要な技術を研究します。
機械の挙動を考慮した機能設計、製品のライフサイクル設計、製品及び形状モデリングについて研究します。
材料(高分子、金属、複合材料)の基礎的性質の理解からその高性能化まで総合的に研究を行います。
機械システム工学科中川 慎二 教授
「流体力学」「材料力学」「機械力学」「熱力学」の4つの柱があります。車や飛行機の分野に興味がある新入生が多いのですが、どこにどんな技術が使われているのか、よくわかっていないようです。車のメーカーは数社ですが、「この部品ならどこにも負けない」という部品専門の企業が全国各地にあり、それらの技術の集大成が自動車といえます。3年生までの授業では、その授業で学ぶ専門技術が社会の中でどう役立っているのかを具体的に教えるように心がけています。
水や空気など流れるものの動きをコンピュータシミュレーションで可視化して流動現象への理解を深めます。様々な機械の性能アップを図り、エネルギーロスの低減につなげることを目指しています。具体的には、①「たらい式水車」の水と空気の流れをコンピュータで可視化・計測する技術の開発、②コンピュータの冷却装置の高度化、③電子部品で使う溶融ハンダの広がり方の再現と製造プロセスの最適化の3つのテーマに取り組んでいます。
「たらい式水車」は地元企業の製品です。回転している水車の中で羽根にかかる力を直接測定することは不可能です。コンピュータシミュレーションによって、渦流で変化する水面の状態や羽根に働いている力を画像で見たり、計測したりできるようになれば、より発電効率の高い羽根の形を考えることができます。現在は試作・実験していますが、コンピュータで計算できれば、試作の数が絞りこめるので、開発コストが下げられます。