情報システム工学専攻
本専攻は、情報技術の基礎と応用を担う2部門(情報基盤工学部門、情報応用工学部門)で構成されています。各部門は3領域からなり、計6領域の構成とします。この6領域は、今後地域や社会においてそれぞれに重要と見込まれる分野であり、これらの領域で活躍できる人材を輩出することを目指しています。情報を高度に活用する情報システム工学に関する最先端の理論と技術を主体的・系統的に深く学び、研究を通じて高度な専門性を身につける教育と研究を行っています。さまざまな領域において、独自の研究を通じて創造的な情報技術やシステムを開発し、実社会での応用を見据えた実践的な研究力を育むとともに、成果を多方面へ適切に発信できる力を養います。さらに、技術者としての高い倫理観を基盤に、与えられた課題の解決に向けた具体的な方法を考え、社会貢献を見据えた責任ある行動を実践します。幅広い視点と専門性を統合して研究を進め、与えられた課題の解決や困難な問題への挑戦を通じて主体的に学び、より良い方法を追求し、これらの領域で活躍できる姿勢を教育の理念としています。

院生によるVRの勉強会
部門
情報基盤工学部門
豊かな情報化社会を実現する基盤となる、センサ利用技術・ソフトウェア応用技術を利用した高度な情報システムや、社会情報デザインを行うための、人の行動や活動の認識・変容技術、3次元情報取得表示などの高度な映像処理・表示技術に関する研究を進めています。
●情報システム学領域
行動認識技術、センシング技術、高性能計算技術、ネットワーク技術、機械学習技術を基盤とし、特に介護予防や看護教育の分野を支援する情報システムの開発や分散システム分野の研究を通して、安心・安全で便利な社会を実現するための研究を行う。
●視覚メディア学領域
主にリアル世界を対象としたテーマを中心に、3次元情報取得・認識技術とその安定的な映像通信、3次元映像再生技術で構成する視覚メディア研究および教育評価やアミューズメント分野への応用研究、マルチモーダルを通じて視覚だけでなく人間の複数の感覚に寄与する研究を行う。
●社会情報デザイン学領域
日常生活に浸透しつつあるデジタル技術の動向をふまえて、スマートシティ基盤や行動認識、モデル化技法などの技術を活用し、人々のウェルビーイング向上に資する情報システムのデザインに関する研究を行う。
情報応用工学部門
現実と仮想世界のヒトや分身をはじめ、モノやコトが生み出す膨大なデータを解析・提示する研究を行います。特にVRやテレイグジスタンス、人間情報の分野を重点領域とし、あらゆるヒトをつなげる情報技術を開拓します。
●テレイグジスタンス学領域
人と遠隔地のロボット、あるいは人と遠隔地の協力者とをネットワーク技術で繋いで感覚情報を共有し、人の動きにロボットの動きを追従させたり、協力者をAR/MR技術により誘導することで、人がロボットや協力者と一体化したような感覚で、直感的に遠隔地の作業を行うことができるテレイグジスタンス技術の研究を行う。
●バーチャルリアリティ学領域
センシング技術、シミュレーション技術、ディスプレイ技術を駆使し、五感を刺激することによって実物ではないが機能としての本質を人工的に作り出すバーチャルリアリティ(VR)技術の研究を行う。
●人間情報学領域
大規模集団や個人の振る舞いを把握するための人間情報に関する研究や、心理学との融合研究、人間拡張技術、デジタルヘルスケアなどの分野の研究を行う。