教育情報
カリキュラムポリシー
データサイエンス学科では、次のようなカリキュラム・ポリシーを掲げている。
- データサイエンスの数理を学修する上で必要となる数学の専門知識を身につけさせるとともに、データ分析を実践する上で必要となるプログラミングやコンピュータの知識と技能を身につけさせる。
- データサイエンスの専門知識を学修し、さらに演習や実験を通して具体的に学ぶことで、専門知識をより深く定着させる。
- 社会・文化・自然などについての幅広い教養と深い洞察力を身につけ、豊かな人間性を涵養する。
- キャリア教育を実践することで、生涯にわたりキャリアを形成する力を育むとともに、研究者や技術者としての倫理観を教育する。
- データサイエンスの活用のために、応用分野の専門知識を学生の興味に応じて教育し、新たな価値を他者との協働で導き出せる能力を育む。
専門科目カリキュラム
※令和6年度開始予定のカリキュラムです。
研究事例
富山県立大学データサイエンス学科の教員が関わる実際の研究事例の紹介
データ,分析・推論,価値創造の視点で整理
- データ
- どのようなデータを用いた研究か
- 分析・推論
- どのようにデータを分析・推論するか
- 価値創造
- その結果どのような価値を創造するか
■研究事例-1AIを活用した交通事故発生予測モデル
形式概念分析により過去数年に発生した事故の事故要因を分析
事故要因を用いて,将来の交通事故内容を予測する機械学習モデルを作成
- データ
- 富山県内で過去に発生した交通事故関連データ
- 時間,座標,年齢,信号機など
- 分析・推論
- 形式概念分析によるデータ分析
- 機械学習による事故分類,予測
- 価値創造
- 事故予測にもとづくパトロール支援
- 交通安全のための施策,教育
補足資料
■研究事例-2未来の都市交通のための自動運転車群制御
自動運転車の群としての挙動を数理モデル化
数学的な証明による安全性検証シミュレーションと網羅探索による効率的な配送計画
- データ
- 自動運転車のみで構成される都市空間モデル
- 大量の住民の出発地,目的地
- 分析・推論
- 検証技術による交差点レベルの安全性の保証
- シミュレーションによる都市空間レベルの効率的な配送計画
- 価値創造
- 自動運転に関わる未知の交通現象の解明
- 未来の都市交通の設計検証手段の提供
動画でご覧いただけます
補足資料
- 背景
- 近年自動運転車技術の向上が顕著
- 対象地区の移動要求を満たすよう自動運転車両を配置する場合,大量の車両が必要に
- 自動運転車群に対する群制御計画が必要
✔対象地区における渋滞解消,デッドロックの検証が必要 - 自動運転車群の運行計画の最適化,検証に着目
- 目的
- 自動運転車による客の送迎の移動体群制御モデルの構築
- 数理計画モデル
- シミュレーションモデル
- 自動運転車が高密度となるような道路ネットワークにおける客送迎アルゴリズムの作成
■研究事例-3シミュレーションによる都市交通の評価
鉄道や道路などの都市空間を設定し個人の移動をコンピュータ上でシミュレーション
住民の利便性を数値化し,それにもとづいた橋梁のトリアージを実現
- データ
- 都市の交通マップ
- 住民アンケート(交通手段)
- 合成人口データ
- 分析・推論
- データに基づくマルチエージェントシミュレーション
- 仮想の都市における住民の利便性分析
- 価値創造
- 利用者数だけではない橋の定量的評価
- 評価結果に基づいた説得力のある橋撤去の提言
補足資料
- 背景
- 高度経済成長期に急激な道路整備
50~60年経過し橋脚を含む道路構造物の老朽化
→ 対策の必要性
対策を行う場合
周辺住民への影響・コストを考慮 → 維持・撤去の判断 - 目的
- 対象:富山市のいたち川に架かる19の橋梁
(トリアージ)を支援
■研究事例-4視覚障がい者の学習支援ツールの開発とその有用性分析
視覚障がい者をターゲットユーザに含めたタンジブルなプログラミングツールを開発
学習者の操作履歴データを用いた学習進捗状況や理解度の分析手法の構築
- データ
- 操作時刻や操作ツールの種類,操作位置
- 学習者の属性(学年や学習履歴)
- 分析・推論
- 文字列編集距離を用いたプログラム内容の評価
- パターン分析を用いた特徴ある操作の分析
- 価値創造
- 学習状況に応じた学習者への情報提示
- ターゲットユーザに適した
インタフェースデザインへのフィードバック
■研究事例-5e-learningツールの学習履歴データの分析とその応用
e-learningツールの正解/不正解履歴データを取得
形式概念分析を用いた正解/不正解傾向の分析と統計的分析
- データ
- 正解/不正解の履歴
- 学習者の属性(学年や学習履歴)
- 分析・推論
- 形式概念分析を用いた正解/不正解傾向の可視化
- 正解/不正解傾向の統計分析による検証
- 価値創造
- 学習レベルやグループに応じた出題メニューの調整
- つまずき箇所の予測
■研究事例-6遺伝子組換えによる有用タンパク質の探索
形式概念分析による,酵素の大量生産のための可溶化のメカニズムの分析
タンパク質のアミノ酸配列に基づく機械学習による可溶性予測モデルの作成
- データ
- タンパク質のアミノ酸配列
- 生物学実験の結果
- 分析・推論
- アミノ酸配列に基づく可溶化要因分析
- 機械学習による遺伝子組換え箇所の予測
- 価値創造
- 有用酵素の大量生産のための支援
- 生物実験とコンピュータ実験の融合
■研究事例-7ものづくり現場における生産性向上と
二酸化炭素排出の可視化
人と機械が強調する作業の数理モデル化
生産性向上のための自動スケジューリング
二酸化炭素排出削減のための電力可視化
- データ
- インタビューや調査によるものづくり現場の実態
- 過去の実績
- 各機器の電力消費
- 分析・推論
- ものづくり現場の数理モデル作成
- 最適解の探索
- 電力使用の推移の可視化
- 価値創造
- 毎日の人手の計画作成を自動化
- 二酸化炭素排出削減のための施策検討支援