富山県立大学生物工学研究センター


バイオテクノロジー(生物工学)あるいはバイオサイエンス(生物科学)と称される新しい分野が展開し、生物を利用した科学技術を創出するものとして、社会的に大きな期待が寄せられています。例えば、高齢化社会における健康・保健にかかわる医療技術の開発、遺伝子操作による新素材、新品種の開発や生体触媒を用いた有用物質の生産などがあります。バイオテクノロジーはエネルギー生産や物質生産および地球環境問題解決の新手法として、従来の化学工学的あるいは機械工学的手段とならび、大きな期待が寄せられています。

富山県立大学工学部附属の「生物工学研究センター」に設置された大学院工学研究科生物工学専攻(博士前期課程および博士後期課程)では、先端的なバイオテクノロジーおよびその周辺分野で必要な基礎知識を修得し、さらに食品、化学、医薬品工業に関するより専門的な知識を修得した新しい人材を養成することを目標として、次の6部門において活発な研究活動を展開しています。

生物工学研究センターは、世界的にも著名な業績を有する教員スタッフが、常時見学を受け付けています。すばらしい研究環境で、研究に打ち込んでみたい学生、企業の研究員等を募集しています!部門名をクリックするとそれぞれのホームページが見られます。

とやま経済月報2005年8月号に
「新設される富山県立大学生物工学科とグリーンバイオ」
を解説しています。


酵素化学工学部門 (Enzyme Chemistry)
酵素を有機合成の触媒として用いることを目的として、新規微生物酵素の自然界からのスクリーニングと、それらを有効に利用する研究を行っている。微生物由来の新規酵素等の単離、遺伝子組換えによる大量生産、X-線結晶構造、反応機構の解明等の基礎研究や、これらの酵素の分子進化工学による改変ならびに工業利用に関する研究を行う。また、環境修復(バイオレメディエーション)についての研究も行っている。

生体触媒化学部門 (Biocatalytic Chemistry)
酵素、細胞、組織を触媒として用いるアミノ酸、ヌクレオチド、種々の有用有機化合物の高能率合成について、基礎と応用の面から研究する。特に、酵素の化学的・遺伝子工学的改良、固定化等について検討する。また、有用物質生産の視点から遺伝子の複製、組換え、形質発現とその調節機能などについて研究する。

有用物質探索工学部門 (Exploratory Biotechnology Research)
自然界に生息する多様な微生物(細菌、放線菌、酵母、真菌)の生態、構造と機能、増殖生理と特性、変異などについて、有用生理活性物質生産の視点から、研究し、又二次代謝産物の生合成反応を遺伝子レベルで解析する。特に、種々の抗生物質の生産特性を培養工学的視点から追究し、これらの物質の作用機作を生化学的、分子生物学的手法で解明する。放線菌を中心とする微生物が生産する二次代謝産物の基礎、応用研究を通じて応用微生物工学の拓新的研究を行う。

生物反応化学部門 (Biofunctional Chemistry)
微生物等が生産する生理活性物質、特に、動物細胞の機能を調節する物質を探索し、発見された化合物を新しい手法を取り入れながら主に有機化学的、生化学的視点から追究する。合成化学の立場から、生理活性物質の新しい合成法、変換法の開発について検討し、構造一活性相関を明らかにする。さらに、生化学的立場から標的分子の解明を目指し、生命現象解明のためのバイオロジカルなルーツとして役立てるとともに、医薬・農薬として有用な生理活性物質創製のための基礎研究を行う。

機能性食品工学部門(Food Science and Technology)
最先端の遺伝子工学技術を駆使することにより、実験動物や培養細胞を用いた評価系を構築し、食品成分の生理作用メカニズムを分子レベルで解明するとともに、生体内での食品成分の代謝を詳細に調べる。動植物由来および微生物由来の幅広い食品素材および食品成分を研究対象とし、健康維持・増進および生活習慣病の予防、改善、治療に役立つ機能性食品および医薬品の開発を目指す。

植物機能工学部門(Plant and Cell Engineering)
植物が固有に持つ物質変換・生産機能に着目し、その利用技術を研究・開発する。従来行なわれてきた植物利用技術と組織培養や分子育種技術の利点を融合させた複合的な手法を用い、新たな機能性植物資源を生産するための基礎研究を行う。また、ゲノム情報などを応用した最先端の植物バイオテクノロジーによって、私たちの社会に役立つ化学物質の高度変換・生産に関する植物代謝機能の研究を行う。






平成18年4月に開設される新しい生物工学科の研究分野


富山県立大学公式ホームページ

学生募集要項

生物工学研究センターの外観

HP created on Feb 17, 2002