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植物機能工学講座の研究概要

 
植物機能工学講座では生化学、有機化学、植物細胞工学、分析化学、分子生物学といった各分野の技術を複合的に用いて、植物が生産する有用二次代謝産物の生合成機構と生理学的意義を解明するとともに、そういった基盤研究の成果を応用して、目的の有用物質を効率的に生産する技術開発に取り組んでいます。
チューリップチューリップは、富山県の県花です。球根の生産量は年間約2000万球と日本一を誇ります。チューリップの各組織中には二次代謝物としては驚くほどの高含量(乾燥重量で数〜10%)で「チューリッポシド類」が存在しています。私たちは、この化合物がチューリップ組織内の「チューリッポシド変換酵素」の作用により、抗菌活性物質である「チューリッパリン類」(α-メチレン-γ-ブチロラクトンの一種)に変換されることを見いだしました。このことから、チューリッポシド/チューリッパリン変換系はチューリップの耐病性に関与しているものと考えられますが、チューリッポシド含有量が極めて高いことや、蓄積される化合物種が組織や生育時期によって大きく異なることから、耐病性だけでなく、その他にも生理学的に重要な役割を担っている可能性が考えられます。現在、チューリッポシド/チューリッパリン類の生合成経路とその発現調節機構の解明、耐病性機構と新たな生理学的機能の解明といった基礎研究、ならびに医農薬、化粧品、化成品原料などチューリッパリン類の新規機能性物質としての利用を目指した応用研究を行っています。

タケ:
タケはイネ科タケ亜科(Poaceae: Bambusoideae)に属する植物です。日本に繁殖しているマダケ、モウソウチクやハチクは温帯性のタケです。私たちは、複数のタケ培養細胞系を用いて、タケ細胞に特徴的な二次代謝産物の単離、構造解析やその生合成経路の解明、ならびに遺伝子組換えタケ培養細胞による高効率な有用物質生産系の開発研究に取り組んでいます。


その他:
他大学、研究所、企業等との共同研究や萌芽型テーマとして、藻類の高度利用、有機質肥料活用型養液栽培技術におけるメカニズム解明などを手がけています。


【植物機能工学講座では、以下の科研費研究を展開しています】



代表者採択分

基盤研究C 
2018-2021 代表 野村泰治
「植物二次代謝生合成におけるユニークなラクトン化酵素の分子多様性の解明」

若手研究 
2018-2020 代表 北岡直樹
「高機能物質生産に特化した植物培養細胞の創出

基盤研究C 2016-2019 代表 加藤康夫
「チューリップの「資源作物化」を志向した有用物質生産基盤技術の開発」

若手研究B
 2014-2018 
代表 野村泰治
「糖エステル化合物の新規生合成系の提唱を志向したチューリッポシド生合成経路の解明」

基盤研究C 2013-2016 代表 加藤康夫
「タケ培養細胞を用いた合理的代謝フロースイッチングによる有用植物二次代謝産物生産」


基盤研究C
 2013-2016 代表 荻田信二郎
「竹稈の中実化を制御する栄養生長モデルの確立と応用」

若手研究B
 2011-2014 代表 野村泰治
「チューリップ耐病性二次代謝産物の活性化に関わる新規酵素系の解明」

基盤研究C 2010-2013 代表 荻田信二郎
「マダケ属の栄養生長モデルによる肥大および成熟制御機構の解明」


基盤研究C 2008-2011
 代表 加藤康夫
「環境浄化および物質生産を目的とした微生物酵素の水生植物における発現と応用」




分担者として参画

基盤研究B 2013-2016 代表 篠原信(独)農業・食品産業技術総合研究機構):加藤、荻田、野村分担
人工土壌作出による土壌微生物および根圏微生物の動態解明

基盤研究B 2013-2016 代表 岸本崇生(富山県立大学):荻田分担
イオン液体混合溶媒系を用いた木質バイオマスの有用物質への変換と細胞壁成分の解析

基盤研究C 2011-2015 代表 黒崎文也(富山大学):加藤、荻田分担
新たな天然薬用資源としての高等植物の潜在的二次代謝能の顕在化とその応用

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