富山県立大学は動いている

成長を続ける富山県立大学

 この4月から、看護学部が開設となった富山県立大学(以下、県立大)。2学部・2キャンパスとなり、学生たちの交流も以前にも増して盛んになっています。来年には射水キャンパスには新校舎が完成し、学科も「電気電子工学科」「情報システム工学科」を新設するなど、成長は続きます。そんな県立大の第7代学長へ就任した下山勲(しもやま いさお)学長に、今回いろいろ語っていただきました。

社会が縮小傾向にある中、富山県立大学は
拡大している。これは本当にスゴイこと。

 ご存じのように、日本は人口減少、少子高齢社会の局面に入っています。「大学」という存在も縮小傾向にあると言わざるをえません。そんな中、富山県立大学は工学部に新学科を設立したり、定員を増やしたり、さらには看護学部を作ったり、新校舎も建設中…等々、どんどん大きくなっています。
 これはつまり「社会における富山県立大学の必要性、重要度」が高まっている証なのではないかと。少子高齢社会においては、介護ロボットをはじめとした生活サポート技術の向上が求められ、ここに工学が深く関わってくることになります。また高度な看護技術も必要になることは、明らかですよね。つまり富山県立大学は、まさに「これからの日本が、ますます必要とする大学」に向かっているのだと思います。

工学部の学生と、看護学部の学生。
互いが互いを尊重し合うことが大切。

 工学部の単科大学だった本学に看護学部が誕生し「工学部と看護学部」という、国内でも希有な存在の大学となったわけですが「工学と看護学の連携」が何よりも大切と私は考えています。たとえば看護学だったら「工学」という視点を併せ持つことにより、看護の質も高まっていくことが期待されます。そして工学においても「看護」という視点を入れることに、大きな意味があるのではないかと。互いが互いを尊重し、補い合うことによって、双方の学問は深みを増していくように思うのです。そのような環境づくりを進めていくことも、私の役割の一つであると考えています。

研究が好き。そこにあるのは進むこと。

 大切なのは、日々前に進んでいくことだと思っています。私は専門がロボット工学なのですが、学長となった今も研究を続けています。立場とは関係なく、研究者は研究を続けていかねばならない。私は、そう考えています。
 大学で研究を続けた二足歩行のロボットは、それまでもそれなりに研究されていましたが、人の歩き方のようなスムーズな動きをするものはありませんでした。「それなら自分が」というわけで、それを実現するために研究に没頭しました。日々一歩一歩、実験を続けた結果、それまでのロボットにはできない動きを行う二足歩行ロボットを実現することができました。

 またロボット作りの過程で、いいセンサーがなくて、それならセンサーも作ってしまおうと作り始めたりもしました。結構それにはのめりこみました。JAXA(宇宙航空研究開発機構)との共同研究では、手のロボットに触る感覚がなかったので、自分が作ったセンサーで、触る感覚をつけてもらったりもしました。
 大学の大きなチームでは、人の家庭に役立つロボットの研究を企業と共同で行いました。「ホームアシスタントロボット」といって、掃除機をかけたりシャツを洗濯機に入れてくれたりする家事を代行してくれるロボットやシンクの上に置かれたお皿や茶碗を食洗器に入れ、スイッチオンしてくれる「キッチンロボット」などもあります。一人乗りのモビリティ(搭乗型ロボット)もその一つです。


下山学長が博士課程の時に
研究した2足歩行ロボット
2足歩行ロボット
6足歩行ロボット
ホームアシスタントロボット
(東大IRT研究機構での共同研究)
キッチンロボット
(東大IRT研究機構での共同研究)

「課題は、自分で解決していく!」
そんな人にこそ入学してほしい。

 正直なところ高校生くらいまでは「課題を与えられ、それをこなしていく」という形の勉強が多いのではないでしょうか。それはそれで大切なのですが、大学に入ると「次の段階の学び方」が必要になります。「課題そのものを自ら設定し、なおかつ自分で解決を図っていく」という形です。そしてもう一つ重要なのが「その学びなり研究なりが、人や社会の幸せに、つなげていくこと」を強く意識することです。研究のための研究ではなく、世の中のための研究であるべきです。
 そういった思いの人こそ、存分に県立大で学んでほしいし、挑戦してほしいと思っています。一緒に学んでみませんか?一人で世の中を変えるのは難しいかもしれないけれど、大学や企業とも連携し、やがて世界へ発信できるような研究で世の中に大きなうねりを作りましょう。入学後に何か分からないことがあったら、直接私のもとに来てください。

来年完成予定の新校舎を背景に
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