固体物性研の実験装置
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- 当研究室では
- 原料の精製、化合、単結晶の育成、結晶の評価、方位決めと切り出し、基本物性測定
- という「実験研究のサイクル」を自前で行うことを理念に実験装置の整備をしております。
- また、このようにして育成され、きちんと評価された純良単結晶は、多くの他機関の研究者に供給された実績を持ちます。
結晶育成関連
テトラアーク炉

- 旧SELEC社製テトラ・アーク炉:少量の原料で単結晶育成が行える高性能の炉です。この炉を使って育成した多くの単結晶で(LaRu2Ge2, LaNi2Ge2, NdNiなど) dHvA効果が観測され、その純良性を証明しています。
- 引き上げ法によって育成された棒状の単結晶は、以下に示す「固相電解法」によって、さらに純良化されます。
固相電解装置
- 棒状の結晶両端を電極で保持し、10-9~10-10torr の高真空下で大電流を流し、試料自身の発するジュール熱によって非接触の加熱処理をする装置です。それにより
- ・軽元素ガス不純物の結晶外への拡散による除去
- ・電流による重元素不純物の試料端への刷き寄せ(固相電解効果)
- がおきて、結晶は非常に純良化されます。
- また、同様の処理を原材料(例えばCe)についても行い、原料段階からの高純度化も行っております。
るつぼ封入ブリッジマン炉
蒸気圧の高い試料は、テトラアーク炉での育成は困難なので、モリブデンやタンタルのるつぼに封入しブリッジマン法による育成を行います。原料のるつぼへの封入はテトラアーク炉を用いて行います。左に示すNiMnSbの単結晶は、この方法で育成しました。
結晶の評価・加工に関する装置
- ・X線粉末回折装置(リガク RINT2200) 【学内共同利用】
- ・走査型電子顕微鏡・EDX分析オプション 【学内共同利用】
- ・X線ラウエカメラ(X線サイエンス IPラウエカメラ)
- ・放電カッター
基礎物性測定関連
12T 超電導磁石+3Heクライオスタット
・最大磁場 12T
- ・最低温度 0.4K
- ・使用目的 dHvA効果、磁気抵抗、ホール効果の測定
1T 電磁石+3Heクライオスタット
・最大磁場 1.1T
- ・最低温度 0.4K
- ・使用目的 電気抵抗(0磁場も含む)、磁気抵抗、ホール効果の測定
- ※ ヘリウム3温度(T>0.5K)まで磁化・磁化率が測定できるようになりました。
30T パルスマグネット
・最大磁場 30T (阪大(当時)金道研究室で作っていただいた励磁コイルを使用)
- ・最低温度 1.5K
- ・使用目的 (現在休止中)