Laboratory

研究分野 水圏生態学研究室
教員 坂本 正樹 講師
【高校生の皆さんへ】

 現代社会において、健全な生態系の維持は最重要課題の一つに挙げられています。では、なぜこれが必要なのでしょうか?このような議論をする際には必ず、「生態系サービス」と「生態系機能」というキーワードが出てきます。生態系サービスとは、生態系から人間が得られる便益を意味します。生態系機能とは、エネルギーや物質の変換に関わる生物過程のことで、植物の光合成量や生物の増殖速度、利用資源量など様々なものが含まれます。一般に、生態系機能が低下するほど、生態系サービスの質や量が低下すると考えられています。また、生物多様性(特に機能多様性)が高い生態系ほど、生態系機能が高くなることが様々な研究から実証されています。つまり、健全な(生態系機能が高い)生態系を守ることは生態系サービスの維持につながります。

 私たちの研究室では、生態系機能の低下を引き起こす様々な要因とそのメカニズムの解明、リスク評価、対策などの研究を行っています。具体的には、水圏の有機汚濁、富栄養化(特にリンが原因)、有害化学物質(農薬や重金属など)などを対象としています。現状、日本では生態学的視点から化学物質のリスクを評価出来る人材が不足しています。これらの能力と技術を身に付けて社会で活躍してみませんか?

【大学院進学を志望する皆さんへ】

私たちの研究室では、人間活動による河川・湖沼生態系構造・機能への影響(富栄養化や化学汚染などの影響)を定量的に評価することを目的として、そこでの生物群集動態を制御する環境要因と生物間相互作用の役割について研究しています。研究室訪問はいつでも歓迎しますので、お気軽にご相談ください。

[現在進めている研究テーマ]
1.湖沼生態系の構造を決定する生物間相互作用に関する研究
2.人間活動由来の化学物質による水圏生態系への影響の評価
3.プランクトンの季節的遷移に関する研究
4.池の水質浄化に向けた生態学的アプローチ

【研究室の様子】

有害化学物質の挙動や、生態系構造、生物間相互作用を介した物質の流れなどを 解析し、総合的に評価を行っています。


実験室は光周期と温度を一定に保ってあります。左の写真は、ミジンコを使ったバイオアッセイ(毒性試験)を行っている様子です。


屋外に設置した水槽(青は300 L、白は20 L)の中に模擬生態系をつくり、農薬や重金属の生態系影響を評価する実験(メソコスム実験)です。


緩速ろ過による水質浄化実験の様子です。まず、池の水を生物槽に引き入れ、懸濁物(植物プランクトン)をミジンコの摂食作用で取り除きます。その後、残りの物質(有機物や栄養塩)を砂ろ過槽で生物膜(様々な微生物)の働きと砂ろ過によって取り除き、処理後の水を池に戻しています。

【就職・進路】
[学部生]
本学大学院進学、キョンヒ大学大学院(韓国)、富山市役所

【教員の略歴】
2004年 信州大学理学部生物科学科 卒
2006年 信州大学大学院工学系研究科博士前期課程 修了
2008年 信州大学大学院総合工学系研究科博士課程 修了 博士 (理学)
2008年 日本学術振興会特別研究員 (PD)
     (独)国立環境研究所・環境リスク研究センター 所属
2010年 富山県立大学工学部環境工学科 講師 現職

【研究費獲得状況(H25年度)】
・科研費基盤C H23.4-H26.3
・科研費基盤B H23.4-H26.3 (研究分担者)
・科研費基盤A H24.4-H28.3 (研究分担者)

卒業生からのメッセージ(2013.3卒 N君)
私は今までの学生生活の中で、この大学4年間が一番充実していたと思います。大学3回生の時まで、大学祭実行委員会に参加し、サークルメンバーと協力しながら、楽しく活動していました。そして、4回生になり、研究を始め、学会やゼミでより専門的な知識を身につけました。環境工学科では、水環境から、土木分野まで幅広く勉強できるので、将来環境に関係する仕事がしたい方にはぜひお勧めします。



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