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Research

改変型HDL治療薬の開発

HDLは多様な生体保護作用(抗炎症、抗酸化、血管保護、病的血管新生抑制など)を示します。HDL構成タンパク質apoA-Iに機能性ペプチドを結合させると、この作用が増強されることを私たちは見いだしています。現在、改変型HDLの治療薬としての可能性を探究しています。

改変型HDLドラッグキャリアの開発

HDLは、多様な脂質と遺伝子組換えapoA-Iタンパク質あるいはその模倣ペプチドから作製することができます。マイクロ流路デバイスによるHDL連続生産も可能です。標的化・吸収改善をキーワードに、HDL構成材料によるドラッグキャリアの開発を行っています。

ゼブラフィッシュを用いるin vivo評価システムの開発

ゼブラフィッシュは発生生物学研究での脊椎動物モデルとして利用されてきました。一方で、その大量入手の容易さ、ヒトとの高い生理学的相同性、そして稚魚の光学的透明性から、近年、ドラッグキャリアの全身循環・治療効果を調べるための動物モデルとして注目されています。Huwylerラボ(バーゼル大学)との共同研究を通じて、全身投与あるいは局所投与された改変型HDLの薬効評価をヒト疾患のゼブラフィッシュモデルで調べています。

ドナーアクセプター連結分子を用いる視力回復(科研費「動的エキシトン」)

ドナーアクセプター連結(D-A)分子は、光捕集部位が電子供与部位と電子受容部位に挟まれた光増感剤です。可視光照射下、D-A分子は分子内で長寿命電荷分離状態を生成します。私たちはこの状態を「ナノ電場」として捉え、細胞膜機能の光制御に利用してきました。具体的には、光照射されたD-A分子は、細胞膜の膜電位を減少させ(脱分極)、結果として神経発火させることができます。私たちの網膜にある視神経節細胞では、この膜電位変化による神経発火が視細胞からの視覚情報を脳に伝達するために利用されています。D-A分子と私たちの改変型HDLを組み合わせることで、視力回復のための新しい治療法を開発しています。

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